【現実の環境でテスト】アウディeトロンGT 一般道/高速道路/峠道で検証

公開 : 2022.07.22 08:00

現実に則した環境でアウディeトロンGTに試乗。ベースを共有するポルシェ・タイカンとの違いに着目します。

アウディeトロンGTの詳細

ポルシェタイカンを購入した時から、アウディeトロン GTの試乗をじっくりとしてみたいと思っていたが、漸く叶ったので、7月上旬から約2週間に亘って、日常生活の中で使用してみたレポートをお届けしよう。

フォルクスワーゲン・グループのEV戦略の中で、ポルシェ初のEVスポーツカーであるポルシェ・タイカンとアウディの新しいフラッグシップGTであるアウディeトロンGTは、共通のシャシーから生み出されている。

アウディeトロンGT
アウディeトロンGT    戎大介

しかし、実際に出来上がった車両は、それぞれのブランドの個性をしっかりと打ち出したものとなっていているのだろうか。また、明確な棲み分けはできているのだろうか。そのような疑問に答えを出すべく、インプレッションをおこなってみた。

アウディeトロンGTのボディデザインは、丸みを帯びた、ポルシェらしいデザインのタイカンに比べると、直線的でありながらもフェンダーからとCピラー辺りからの2本の柔らかなラインが立体的なボディのイメージを作り上げている。

一見すると、ドアが4枚あるとは思えないクーペスタイルだが、後席のドアも広く、着座してみると、4人の大人が不自由なく座れることが判る。

ボディサイズはほぼタイカンと同じだが、全長が25mm長く、全高が20mm高い。因みに正確な数値は、4990mm(全長)×1965mm(全幅)×1415mm(全高)となっている。

これだけサイズが大きくなれば、デザインの自由度も増し、4座のクーペでも優雅なスタイルが出来上がるのだろう。因みに後部のトランクも驚くほど広い。

どちらのデザインが良いかは、まさしく好みによると思うが、eトロンGTのスッキリしたデザインはとても好ましい。一方のタイカンは、なんでこのデザインをパナメーラに採用しなかったのだろうか、と思える良いまとまり方だ。

試乗車の外装色はケモラグレーメタリックというややグレーがかったパステル調のブルーで、一目見て感じが良いと思わせる色合いだ。

車両重量は、2280kgで、4WDのeトロンGTのほうが、後輪駆動のタイカンよりも150kgほど重い。これはフロントにもモーターを搭載して駆動しているからだろう。因みに、ギアは、フロントが1段、リアが2段となっている。

価格は税込み1399万円である。タイカンでこれに対応するタイカン4Sは1489万円であるから、90万円ほど安い。試乗車はオプション装備として、レザーフリーパッケージが30万円、1サイズアップの20インチのアルミホイール/タイヤが16万円で、このクルマにはピレリチンチェラートP7 245/45R20、285/40R20が装着されていた。

更にデコラティブパネルウォルナットナチュラルグレーブラウン、要するにウッドを使用したダッシュに10万円、ブレーキタングステンカーバイドコーティングに35万円、LEDヘッドライトやeトロンスポーツサウンド、シートヒーターなどのテクノロジーパッケージに67万円という事で、合計158万円のオプションが装着されていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    笹本健次

    Kenji Sasamoto

    1949年生まれ。趣味の出版社ネコ・パブリッシングのファウンダー。2011年9月よりAUTOCAR JAPANの編集長を務める。出版業界での長期にわたる豊富な経験を持ち、得意とする分野も自動車のみならず鉄道、モーターサイクルなど多岐にわたる。フェラーリ、ポルシェのファナティックとしても有名。

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