アウディA3 次世代モデルはフルEVに 航続距離640km以上 2027年発売見込み
公開 : 2022.07.27 06:05
関係者によると、アウディの人気車種A3の次世代モデルでは、内燃機関を廃止し、EV専用モデルになるとのこと。RS3に相当する高性能EVも導入予定です。
次世代のエントリーモデルは電動A3に
次世代のアウディA3は、1回の充電での航続距離640km以上を実現するEV専用モデルになる予定であることが、関係者への取材で明らかになった。
2027年と予想されるフルモデルチェンジでは、ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッドといった従来のパワートレインを廃止し、大型バッテリーと電気モーター、次世代技術を多数搭載したコンパクトハッチバックおよびセダンになるということだ。
第5世代となる次期A3は、フォルクスワーゲン・グループの新しいEV専用プラットフォーム「SSP(スケーラブル・システム・プラットフォーム)」を採用する。現在、Q4 eトロンやフォルクスワーゲンID.4などで共有しているMEBプラットフォームは、アウディの次世代モデルでは使用されないという。
最もパワフルなモデルには、ツインモーター/四輪駆動のパワートレインが採用されると見られている。アウディの「RS」シリーズの中でもよく売れている、現行のS3やRS3に匹敵する高性能モデルとなるだろう。
アウディは高性能EVラインナップとしてRSシリーズを展開する予定で、電動のRS3は、そのエントリーモデルとなる。既存のRS eトロンGTに始まり、最終的には、ほとんどのモデルレンジでRSを導入すると予想される。
また、トルクベクタリング機能などの技術も間違いなく今後登場する車両に伝わり、内燃機関のダイナミクスを模倣することになるだろう。ライバルのBMW、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲンは、それぞれの高性能ハッチバックの電動化計画をまだ発表していないため、RS3が最初の1台となる可能性もある。
800Vバッテリーに対応 サイズは大型化
アウディCEOのマルクス・ドゥスマンは最近、2026年からすべての新型車をEVのみにすると発表している。
ドイツの経済誌『Wirtschaftswoche』の取材に応じたドゥスマンCEOは、このEVシフトをどのように進めるかを説明した。
「現在のICEポートフォリオでは、3つの異なるアーキテクチャを使用しており、BEV(バッテリー電気自動車)は、すでにMEBとPPEの2つのアーキテクチャをベースとしています。2020年代の後半には、SSPを導入し、強力なメカトロニクス・プラットフォームを形成する予定です」
新しいSSPの利点としては、フロア高が低く、モデル間の差別化を図るためのモジュール性が高いことが挙げられる。
さらに、800Vのバッテリー電圧にも対応するように設計されている。これにより、MEBベースの400Vシステムよりも充電時間が大幅に短縮され、最大270kWでの充電が可能になる。10分間でおよそ130km分の充電ができるようになる計算だ。
ドゥスマンCEOによると、SSPでは、「統一されたセル・フォーマット」と呼ばれるシステムを使用し、最大700kmの航続距離を実現するとのこと。将来的に固体電池の搭載も視野に入れて開発されているが、次期A3では採用される予定はない。
AUTOCARが入手した情報では、次期A3は5ドア・ハッチバックと4ドア・セダンとして構想されており、いずれもボディサイズが段階的に拡大されるという。初期のデザイン案を知る関係者によれば、SSPのパッケージングの利点を最大限に活用し、ショートオーバーハング、ボンネットラインの短縮、キャビンの延長、ホイールハウスの大型化などによりプロポーションが変わっているとのこと。