2年後、ミニはこうなる 次期EVコンセプト「エースマン」初公開 デザイン大幅進化

公開 : 2022.07.27 19:25

ミニは、2024年に発売予定の電動クロスオーバーを予告するコンセプトモデルを公開しました。現行クラブマンの後継とも言えるEVで、内外装のデザイン理念が大きく変化しています。

次世代EVクロスオーバー クラブマンの後継か?

ミニは、2024年末に発売予定の新型EVのコンセプトモデル「エースマン(Aceman)」を公開した。ハッチバックとカントリーマンの中間に位置する、新たなコンパクト電動クロスオーバーとなる予定だ。

プラットフォームには、BMWと中国のパートナー企業である長城汽車が共同開発している「スポットライト」を採用。ミニの次世代EVモデルのベースとなるものだ。

ミニ・エースマン・コンセプト
ミニ・エースマン・コンセプト    ミニ

ミニは今回公開したエースマンについて、純粋なコンセプトモデルだとしているが、2024年にショールームに並ぶ市販モデルからそれほど遠いものではない。

エースマンのパワートレインの詳細は不明だが、同じスポットライト・プラットフォームをベースとする次世代ハッチバックは、約40kWhのバッテリーを搭載したクーパー(最高出力184ps)と、50kWhのバッテリーを搭載したクーパーS(最高出力224ps)があり、航続距離は約400kmとなる予定。エースマンの市販モデルも、これとほぼ同様のものになると思われる。

情報筋によると、このコンセプトはカントリーマン(日本名:クロスオーバー)の後継車として開発されたものではないという。第3世代となる次期カントリーマンは、BMW X1の兄弟車として、広い室内空間を持つクルマとして生まれ変わる見込みだ。エースマンは、全長4050mm、全幅1990mm、全高1590mmと、カントリーマンより小柄。

そのため、エースマンは、2023年半ばに廃止されるミニ・クラブマンの間接的な後継車となる可能性がある。AUTOCARが入手した情報によると、クラブマンはこれから少なくとも1台の特別仕様車が用意された後、生産を終了するとのこと。

大きく変わったミニのデザイン

ミニのデザインチーフであるオリバー・ハイルマーはAUTOCARの取材に対し、エースマン・コンセプトは「多くのリサーチとフィードバックの結果」であると語っている。

ハイルマーは、「ハッチバックとカントリーマンのオーナーには非常に満足していただいていますが、彼らは全く異なるタイプの人々です」として、エースマンがミニを所有したことのない層をターゲットにすることをほのめかした。

ミニ・エースマン・コンセプト
ミニ・エースマン・コンセプト    ミニ

「フロントとリアのオーバーハングが非常に短いという意味では、クラシックなミニと同じですが、サイドの高さが大きく異なります。サイドはもっと筋肉質なのです」

BMWはサイドのデザインについて、「このエッジの効いたデザインは、クロスオーバーモデル特有の堅牢さと多用途性の進歩的な解釈です」と述べている。

また、クロームのドアハンドルや、フロントフェンダーとフロントドアの間にあった三角形のパネルもなくなった。

フロントエンドのデザインは必要最低限にまで絞り込まれた。大きなクローム縁のヘッドライトは縮小され、ミニブランドの伝統的な「顔」はLEDのアウトラインで定義されるようになった。グリルは、ブランドのルーツを思い出させる非常にミニマルなものとしている。

「タフな雰囲気がありますが、決して大きくはありません。新型カントリーマンは、もっと広いトランクルームを持ちます」とハイルマー。

「このクルマのショルダーは、EVに必要な空力性能の結果です。テールゲートスポイラーやキャビン後部が細くなっているのも、ホイールデザインと同様、空力性能に基づいたものです」

コンセプトでは補強バーのないガラスルーフも備えているが、これはバッテリーをシャシーの構造部品として使用することで、市販モデルでも実現できるかもしれない。また、ルーフラックの形状は、ユニオンジャックを連想させるものになっている。

ユニオンジャックのモチーフは、ダッシュボードの装飾、フェンダーのモールディング、テールライトなど、至るところに見られる。ハイルマンによれば、このグラフィックは「世界中で人気がある」のだという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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