完成度は4割 新型ロールス・ロイス・スペクター、南仏でテスト開始 信頼性・快適性向上へ

公開 : 2022.07.29 18:05

ロールス・ロイス初のEV、スペクターの開発は約40%の段階まで進み、南フランスでのテストプログラムが始まりました。新しいサスペンション・システムの快適性と信頼性を高めます。

フランスで62万km サスペンション調整

ロールス・ロイスは、同社初のEV「スペクター」を2023年に発売する予定で、フランスで開発テストプログラムの重要な局面を迎えている。

北極圏のわずか55km南という極限状態での数か月にわたるテストを終えたスペクターは、これからコート・ダジュールで合計62万5000kmを走行する予定だ。

ロールス・ロイス・スペクターのプロトタイプ
ロールス・ロイス・スペクターのプロトタイプ    ロールス・ロイス

テストは2回に分けて行われ、ミラマスのサーキットとその周辺の田園地帯で実施される。このテストでは、新しい電子制御式ロールスタビライゼーション・サスペンション・システムの調整が行われることになっている。

このシステムは、ナビゲーションデータと前方の道路を解析して快適性を最大化するもので、車体のアンチロールバーを切り離して道路の「高周波」の振動を低減することができる。

ロールス・ロイスは、南フランスでのテストにより、「日常的な使用」におけるスペクターの走りを明確に把握できると述べている。また、スペクターの空気抵抗係数(Cd値)を、当初予測されていた0.26から0.25に引き下げた。

さらに、開発は現在約40%完了しており、3月に行った量産前プロトタイプの初走行から10%前進しているという。スペクターのテストは、約1年前の2021年9月に開始された。全プログラムを通して、合計250万kmの走行が予定されている。

ロールス・ロイスのトルステン・ミュラー・エトヴェシュCEOは、スペクターがブランド史上最も期待されるクルマになったと語る。

「内燃機関の制約から解放された当社のバッテリーEVは、118年にわたる歴史の中で最も純粋なロールス・ロイスの体験を表現するものになるでしょう」

「このテストは、ロールス・ロイスが明るく大胆な完全電動の未来に向かって進んでいることを象徴する一連の先進技術を証明するものです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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