なぜ多発? 爆発スペアタイヤ事故 国産SUVでも発生 原因は?
公開 : 2022.08.03 05:45 更新 : 2022.08.03 08:27
旧いアルファ・ロメオのアルファスパイダーなどでのスペアタイヤの破裂が相次いで報告。原因を取材しました。
スペアタイヤが「自然バースト」?
衝撃的な光景である。
画像のとおり、スペアタイヤがトランクの中で破裂している。
いずれも7月上旬、フェイスブックのコミュニティ「We Love Alfaromeo 916」に投稿された写真だ。
実はこちらのグループは筆者もメンバーになっている。
1998年春に初度登録した1997年製造のアルファ・ロメオ・アルファスパイダーを所有して25年目、オドメーターは26.8万kmを刻んでいる。
最初、この写真見たときあまりにも強烈なビジュアルで驚いたのだが、実はアルファスパイダー(916系)ではめずらしいことではないそうだ。
まずはこれらの破裂したスペアタイヤのオーナー2人に状況を聞いてみた。
神奈川県在住Hさん 2021年から2002年型V6 3.0GTV所有
「スパイダーのトランクを開けたらこんなことになってました」
「スペアタイヤが破裂していてワイヤーが飛び出し、カバーも引き裂かれた状態でした。タイヤの経年劣化とこの暑さが原因だと思います」
「初めてのことでびっくりしました。スペアタイヤは新車から20年間交換されていなかったと思います。さすがに今年の暑さには耐えきれなかったのでしょうね」
「まあ、トランクが広くなって良かったと思います。そして破裂したのが走行中でなくて良かったです」
鹿児島県在住Yさん 2015年から1997年型GTV 2.0TB所有
「916のタイヤ(スペアじゃないほう)がつい最近パンクしたのでスペアタイヤの出番か! と思ってトランクを開けたらバースト寸前の状態になっていて驚きました」
「スペアを新品に交換することなくこのままの状態でおろしました。JAFや損保のロードサービスも充実してきていますから、スペアタイヤは不要かなと思います。トランク広くなりましたよ~」
余談だが2人とも激レアな経験をしながらも、「トランクが広くなった」と喜んで? いるわけだが、これは筆者も同じクルマに乗っているのでよくわかる。
筆者も15年以上前にスペアタイヤをおろしてからトランクが広くなって本当に助かっている。
実はめずらしいことではない?
2人のスペアタイヤがバーストしていたことに気づいたのは今年6月末~7月上旬のこと。
観測史上最も早い梅雨明けとなった直後の、あの猛暑の日々である。
アルファ・ロメオの専門店でとくに916系(アルファスパイダー)オーナーから絶大な信頼を得ている有限会社ALFA・DEPOT代表の坂野隆之さんに事情を聞いてみたところ、なんと「真夏の916あるあるですね」とのこと。
「アルファスパイダー(916系)のスペアタイヤの自然バーストが見受けられるようになったのは10年位前からです」
「新車から15年以上経過するとスペアタイヤも劣化するのでしょう。今年も7月上旬の時点ですでに3件、同様のケースが発生しておりスペアタイヤを交換しました」
「アルファスパイダー(916系)のスペアタイヤは狭いトランクルームの中に縦向きに取りつけてありますから、トランクルーム床下に収納する一般的なクルマに比べて熱の影響を受けやすいのではないでしょうか?」
「なお、アルファスパイダー(916系)は2003年の最終型からスペアタイヤはなくなりパンク修理セットが搭載されるようになりました」
「アルファ・ロメオ159やジュリエッタはスペアタイヤ搭載していますがこのようなことは起きていません」
「スペアタイヤの空気圧は自然に下がってしまいますから当社では車検入庫時には必ずチェックします。空気圧は4キロくらい入れています」
「大概のクルマは規定値より下がってますので、定期的に確認しておかないといざ使う時に空気圧が低くて使い物にならないということも有りますので要注意ですね」
「スペアタイヤの経年劣化は予防のしようがありませんから定期的に状態のチェックをしておくのと、あまりに古くなったら交換しておく必要もありますね。おろしてしまうのであればパンク修理セットは積んでおいたほうがいいでしょう」