みんなの憧れ ガルウィングドアを採用したクルマ 17選 名車から謎車まで

公開 : 2022.08.07 06:05

鳥が翼を広げるように開くガルウィングドア。見る者をわくわくさせる夢のような機構です。今回は、そんなガルウィングを採用した最高のクルマを紹介します。

開くだけでカッコいい ガルウィング搭載車

クルマをドラマチックに演出したいなら、ガルウィングドアをつけるのが一番簡単な方法だ。メルセデス・ベンツの300SLガルウィングが登場して以来、このドアは高級車の代名詞ともなっている。

ガルウィングドアは、カモメ(Gull)の翼のように開くことからこのように呼ばれる。乗り降りするためだけのアイテムではないが、どのような用途であれ、ガルウィングは人々を惹きつけてやまない。

スーパーカーだけでなく、軽自動車やSUVに使われることも。
スーパーカーだけでなく、軽自動車やSUVに使われることも。

今回は、ガルウィングを装備したメモリアルなモデルを年代順に紹介したい。

メルセデス・ベンツ300SL – 1954年

1950年代を代表するスーパーカーである300SLは、正式には「ガルウィング」と呼ばれたことはないが、そのドアの機構から広くそう呼ばれている。この愛称が定着したのは、当時のメルセデスの頑丈さを完璧に表現しているからだ。ガルウィングドアは、見た目ではなく強度を高める巨大なシル構造のために必要だったのだ。

だが、後に登場した300SLロードスターでは、使い勝手に優れた通常のドアを採用しながら、さらに高いボディ強度を確保することに成功している。それでも、富裕層や著名人をはじめとする大きの人がガルウィングを選んだ。

メルセデス・ベンツ300SL - 1954年
メルセデス・ベンツ300SL – 1954年

メルセデスの初期のレーシングカーをもとに開発された300SLは、社交界だけでなくサーキットでも大いに活躍。アルミニウムを使用した軽量バージョンも29台作られている。

デ・トマソ・マングスタ – 1967年

ガルウィングはいいが、別にドアにこだわる必要はない。エンジンカバーに採用すれば、もっと素晴らしいデザインが出来上がるのではないか。そう考えたデ・トマソは、同社初のスーパーカー、マングスタを開発した。リアのヒンジを開けると、4.7L V8エンジンが現れる。

エンジンカバーの上部はガラス張りになっており、通行人にマングスタのパワートレインを見せつけることができたが、ドライバーの後方視界を確保することはほとんどできなかった。

デ・トマソ・マングスタ - 1967年
デ・トマソ・マングスタ – 1967年

イタリアと米国にルーツを持つデ・トマソゆえか、当時のエキゾチックカーと比較してもかなり高い価格で販売された。1972年までに約400台が生産されている。

メルクスRS 1000 – 1969年

旧ソビエト時代の東ドイツで、ガルウィングドアのスポーツカーを製造することは難しいはずが、メルクスRS 1000はそれを成し遂げてしまった。メルクスの低床クーペボディは、乗降性に優れたドアを必要としたため、ガルウィングが採用された。共産圏には似つかわしくない、流麗なフォルムによくマッチしている。

グラスファイバー製ボディの下には、ヴァルトブルク製の992cc 2ストロークエンジンを搭載。鉄のカーテンの「向こう側」で培われた2ストロークエンジンのチューニングのノウハウが生かされ、最高出力は69ps、最高速度は165km/hに達した。

メルクスRS 1000 - 1969年
メルクスRS 1000 – 1969年

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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