クルマ業界最大のライバル関係 20選 切っても切れない腐れ縁? 永遠の「好敵手」
公開 : 2022.08.06 18:05
メルセデスとBMW、フェラーリとランボルギーニ、トヨタ・カムリとホンダ・アコードなど、激しい競争を繰り広げてきた「ライバル」たち。時に争い、時に尊敬し合う、切っても切れない関係を紹介します。
もくじ
ー時に争い、時に尊敬し合うライバルたち
ーベントレー vs ロールス・ロイス
ーBMW vs メルセデス・ベンツ
ーブガッティ vs ケーニグセグ
ーキャデラック vs リンカーン
ーフェラーリ vs フォード
ーフェラーリ vs ランボルギーニ
ープジョー vs ルノー
ーテスラ vs その他大勢
ーアルピーヌA110 vs ポルシェ718ケイマン
ーアウディRS6アバント vs メルセデスAMG E 63
ーシボレー・カマロ vs フォード・マスタング
ーシボレー・シルバラード vs フォードF150
ーフェラーリ・ラフェラーリ vs マクラーレンP1 vs ポルシェ918スパイダー
ーフィアット500 vs ミニ・ワン
ーフォード・ブロンコ vs ジープ・ラングラー
ーフォード・ファルコン vs ホールデン・コモドール
ーホンダ・アコード vs トヨタ・カムリ
ージープ・グランドワゴニア vs ランドローバー・レンジローバー
ーランドローバー・シリーズ vs トヨタ・ランドクルーザー
ー三菱ランサーエボリューション vs スバルWRX STI
時に争い、時に尊敬し合うライバルたち
自動車業界はもともと競争が激しいが、一部の自動車メーカーには、「あの会社には絶対に負けられない」というライバルが存在する。時に、そうした関係が業界全体を発展させるものだ。
レースがきっかけで対立が表面化することも多く、ファンはどちらかに肩入れして対立をエスカレートさせる傾向がある。とはいえ、メーカーはお互いに忌み嫌っているだけではない(例外もあるだろうが)。中には、他の誰よりも相手を尊敬し、恐れを抱くこともある。
ライバル関係というのは企業に切磋琢磨を強いることになるので、結果的には良いことなのである。
今回は、自動車業界がこれまでに経験してきた中で、大規模かつ長きにわたる対立の数々を紹介したい。企業同士、モデル同士の関係性も見えてくるだろう。その中には、比較的おだやかなものもあるが、非常に熾烈なものもある。
ベントレー vs ロールス・ロイス
ロールス・ロイスは1931年から1998年までベントレーという会社を所有していたため、両社は友好的に競争し、部品を共有することも多かった。1980年に英国の防衛装備品メーカー、ヴィッカースが両社を買収した後、ベントレーはスポーティな方向へと進み始めたが、1998年にフォルクスワーゲン帝国に加わるまでは、両社が道を違えることはなかった。
ロールス・ロイスも一時はフォルクスワーゲンの傘下にあったが、「ロールス・ロイス」の名称(現在も航空機用エンジンを製造している会社が所有している)に関する複雑な取引を経て、BMWの下へ馳せ参じることに。
分裂から22年。英国のラグジュアリーブランドを象徴する2社は、激戦区であるSUV市場をはじめ、多くのセグメントで激しい競争を繰り広げている。ベントレーのミュルザンヌとロールス・ロイスのファントムは、世界で最も豪華な4ドアモデルの1つとして名を馳せたが、前者はもうすでに引退してしまった。後継としてSUVが現れるかもしれないが、少なくとも今のところは、ファントムの一強である。
BMW vs メルセデス・ベンツ
BMWとメルセデス・ベンツは、数十年にわたり、それぞれ異なる路線を歩んできた。BMWは気性の荒いファミリーカーを製造し、レースにも参加。一方のメルセデスはラグジュアリー・セグメントで活躍し、世界のエリートが乗る巨大なリムジンを製造することでそのイメージを高めてきた。
中国の指導者、毛沢東はBMWのターボでコーナリングを楽しむことはなかったが、メルセデスの600プルマンでパレードを嗜んでいる。1980年代、BMWが高級志向を強め、メルセデスもスポーティさを取り込むようになると、デタント(緊張緩和)の時代は終わりを告げる。
1975年に登場したメルセデス・ベンツW123と、1981年のBMW 5シリーズ(E28)は、同じ部屋の中でも対極の位置に座っており、少しずつ目線が合うようになる(ハートではなく火花が散る)。その後継である1985年のW124と1987年のE34は、重なり合うところがさらに多く、座布団を取り合うこともしばしば。この一触即発のライバル関係は2020年代に入ってからも続いており、両社を隔てる境界線はかつてないほど曖昧になっている。
しかし、2019年、メルセデスの親会社であるダイムラーとBMWはカーシェアリング事業を統合し、自動運転技術の開発で協力する計画を発表した。カーシェアリング事業は2022年5月にステランティスへ売却され、自動運転の開発も凍結されたままだが、一時的にも両者が手を組んだという事実は面白い。