DS 3にハッチバック復活か プレミアム志向の小型EV 可能性否定せず

公開 : 2022.08.05 18:05

フランスの高級車ブランドDSのトップは、DS 3クロスバックの改良に伴い、かつての3ドア・ハッチバックが復活する可能性を示唆しました。ただし、SUVブームの中で小型車を売る難しさについても言及しています。

3ドアハッチ復活? 小型車を売る難しさ

フランスの高級車ブランドDSは、クロスオーバーのDS 3クロスバックのモデルチェンジ計画を進める中で、新たに小型のハッチバックが導入される可能性があるとしている。

現在のDS 3クロスバックは、成長を続けるBセグメント・クロスオーバーに参入するため、2019年にハッチバックのDS 3(当初はシトロエンから販売)に代わるモデルとして登場した。

2014年にDSブランドが独立する前、初代DS 3にはシトロエンのエンブレムがつけられていた。
2014年にDSブランドが独立する前、初代DS 3にはシトロエンのエンブレムがつけられていた。

しかし、DSのベアトリス・フーシェCEOはAUTOCARの取材に対し、ハッチバックは「成功」したモデルだとし、復活の可能性を否定しなかった。

DSは、2024年以降に発売する新型車をEVのみにする計画だ。そのため、DS 3が復活するとしたら、親会社であるステランティスのSTLAスモール・プラットフォームを使用し、電動パワートレインを搭載することになるだろう。

フシェCEOは次のように語っている。

「DS 3のリニューアルに取り組んでいますが、『リニューアル』といっても、今のクルマをそのままリニューアルするわけではありません」

「リニューアルする目的は、『すでにお客様がいて、新しいクルマを提案したい新たなお客様もいる、そのためにはどんな商品がいいだろうか』というものです」

「これまでやってきたことを生かす必要がある。これが、当面の考え方です」

しかし、小型車の開発・販売にはリスクが伴う。1台あたりの生産コストが比較的高いため、販売価格は高くなる傾向がある、とフシェは指摘。また、業界のトレンドに逆行することになるので、市場が何を求めているかを見極める必要があるとも述べた。

フォードホンダをはじめとするほとんどのメーカーは、小型車から、より人気のあるクロスオーバーや大型のSUVに重点を移している。

「高級車市場を見ると、大型車よりも小型車を売る方が難しいのです。大型車にはステータス性があり、価格相応のボリュームもあるからです」

「しかし、小型車になると、これは難しい。高級車ブランドでありながら小さなクルマを売るというのは、難しい方程式です」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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