1990年代後半を代表する名車 41選 前編 価値ある未来のクラシックカーたち

公開 : 2022.08.13 06:05

1996年から1999年までに発売されたクルマを、欧州車を中心に41台紹介します。前編は、ポルシェ996型911からホンダ・プレリュードまで、走って楽しい個性豊かなモデルのオンパレードです。

今こそ注目したい90年代の名車たち

1990年代に製造されたクルマは、お世辞にも新しいとは言えないが、クラシックカーと呼ぶほど古くもない。一見すると、地味で目立たない存在にも思えるかもしれない。1980年代のホットハッチ、魅力的なホモロゲーション・スペシャル、弾丸のように速いスーパーカーなど、輝かしい先輩たちの後に続くのはそう簡単なことではない。

しかし、今こそ90年代のクルマに注目すべきではないだろうか。フューエルインジェクション、ABS、パワーステアリング、エアコンなどが普及し、信頼性、安全性、使い勝手、快適性が向上した時代だ。要するに、日常的な使用に耐えるだけの現代的な実用性とパワーを持ちながら、適度な古さと希少性を兼ね備えた、興味深い存在なのである。

欧州車を中心に41台をピックアップ。日本の中古車市場で見つけることのできるものも多いので、気に入ったモデルがあれば探してみよう。
欧州車を中心に41台をピックアップ。日本の中古車市場で見つけることのできるものも多いので、気に入ったモデルがあれば探してみよう。

そして何より、偉大なる80年代のクラシックカーとは異なり、90年代の後輩たちはまだ手の届くところにある。

今回は、欧州市場を中心に、1990年代に製造・販売されたモデルを振り返る。すべてを取り上げることはできないので、本稿では1996年から1999年までにデビューしたモデルに焦点を当てたい。

シトロエンベルランゴ・マルチスペース(1996~2013年)

ゆったりとした乗り心地と巨大な荷室を持つベルランゴ・マルチスペースは、本来ならもっと大きな成功を収めるべきクルマだった。しかし、そのためにはフランスの商用バンをベースにしていることを気にしないオーナーが必要であった。

英国などではよほど期待感が薄かったのか、初期モデルには5ドアすらない状態。しかし、時が経つにつれて、より実用的に、そしてより魅力的になっていった。新型ベルランゴも良いが、あえてこちらを選ぶのもアリ。

シトロエン・ベルランゴ・マルチスペース(1996~2013年)
シトロエン・ベルランゴ・マルチスペース(1996~2013年)

フォードKa(1996~2008年)

このKa(カー)は単なる小型車ではなく、「ニューエッジ」デザインによってフォードの新時代を開拓したクルマだ。

標準モデルは最高出力69psのデュラテックエンジンを搭載するが、スポーツモデルのSportKa(スポーツカー)は95psにパワーアップし、トランスミッションとサスペンションはプーマのものを流用している。どちらのモデルでも、とても楽しく、果てしなくチャーミングだ。

フォードKa(1996~2008年)
フォードKa(1996~2008年)

初代ロータス・エリーゼ(1996~2001年)

1996年、新世紀を迎えるにふさわしいスポーツカーとして誕生したエリーゼは、以来20年間にわたってロータスの経営を支えてきた功労車である。発売当時のエンジン出力は120ps程度しかなかったが、800kgを下回る車両重量が代えがたい利点となっており、今日でも十分に楽しむことができる。

中古車では、購入前にフロントのクラムシェルにダメージがないか、ローバーKシリーズエンジンのヘッドガスケットを最近交換しているかどうかをチェックしよう。

初代ロータス・エリーゼ(1996~2001年)
初代ロータス・エリーゼ(1996~2001年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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