【現実の環境でテスト】日産アリアB6 2WD 一般道/高速道路/峠道で検証

公開 : 2022.08.16 06:25

現実に則した環境で日産アリアに試乗。燃費や操作性など、普段どおり使用して気になったことを紹介。

外装 隙無く緻密な構成

日産が2010年に、初めてのEVであるリーフを発売してから約12年が経過した。

現在、日産が生産しているEVは3車種に増え、軽専用のサクラ、販売の王道であるリーフ、そして、今回発売されたフラッグシップモデルのアリアである。

日産アリア
日産アリア    戎大介

アリアにかける日産の思いは、この12年間のEV販売で培われた知見を全て投入した自信作であることを、発表会でも表明していたことからも理解できる。

では、近年、多くのメーカーが発売を開始した新型EVに比べ、どの程度のアドバンテージがあるのか、実際に試してみることにした。

わたしのガレージに到着したアリアは、ステルスグレーという、ややパステル調が入った濃いめのグレーで、名前とは裏腹にとても感じが良い。

ボディサイズは4595(全長)×1850(全幅)×1660(全高)mmであるが、実際よりもかなり大きく見える。全長に比べ車室の占める割合が大きいから、そう感じるのかもしれない。

デザインは、リーフ以来のイメージを踏襲した、あえて言えば恐竜由来のデザインテイストで、フロント部分では、グリルの開口部がサイドに深く切り込んでいる形状である。

しかし、ライン的には不自然さは無く、そのままサイドからリアにかけて隙の無い、緻密な面構成を作り上げている。

実際、完成度のレベルはかなり高いと思う。しかし、それと、好き嫌いはまた別の問題で、もう一段、味が欲しいと思うのは、欲目であろうか。

内装 使い勝手に疑問も

実際にクルマを目の前にすると、まず驚くのは、各パネルの合わせが見事なことである。

これだけ、チリがピッタリ合った日産車を見たのは始めてで感動した。

ハザードは水平面にスイッチの面があるので、ドライバーの位置からは視認性が悪いと感じた。
ハザードは水平面にスイッチの面があるので、ドライバーの位置からは視認性が悪いと感じた。    笹本健次

しかし、その一方、内装の仕上がりは、やや残念なところも見受けられた。

ダッシュボードの下部に、横一線にゴールドのラインが入っているが、それが、各スイッチと連動していて上下に動き、ガタガタの線になってしまっていて誠に醜い。

なぜ、1本のラインを引く必要があるのか、良く分からない。

また、ハザードは水平面にスイッチの面があるので、ドライバーの位置からは視認性が悪く、咄嗟の時に迷ってしまう。

あくまでも個人の趣味の問題だが、オプションで付いていた石庭調のフロアカーペットはあり得ないと思う。

更に、グローブボックス周辺のブロック類も、プラスチックの合わせが悪すぎで、あの素晴らしい外装で、なんでこのレベルの内装なのかと思ってしまう。

とにかく、もう少し内装に力を入れたら、更に素晴らしいクルマになるのは間違いない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    笹本健次

    Kenji Sasamoto

    1949年生まれ。趣味の出版社ネコ・パブリッシングのファウンダー。2011年9月よりAUTOCAR JAPANの編集長、2024年8月より総編集長を務める。出版業界での長期にわたる豊富な経験を持ち、得意とする分野も自動車のみならず鉄道、モーターサイクルなど多岐にわたる。フェラーリ、ポルシェのファナティックとしても有名。

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