アキュラが日本へ? 米で公開、アキュラ電動SUVコンセプトから広がる可能性
公開 : 2022.08.22 05:45
米モントレー・カー・ウィークでアキュラ・プレシジョンEVコンセプト公開。筆者はアキュラ日本上陸の前兆と考えます。
アキュラ初のEVお披露目
あれ、随分と久しぶりだな。これは、日本市場を含めた何かの前兆なのだろうか?
ホンダが日本時間2022年8月19日にプレスリリースした「アキュラ・プレシジョンEVコンセプト」に関する発表を目にして、そう感じた。
今回の発表は、量産車とレーシングカーのそれぞれでクラシックカーやネオクラシックカーの愛好家が集まり、また世界のカーデザイン関連業界者らが親睦を深める、米カリフォルニア州モントレー・カー・ウィークでおこなわれたものだ。
筆者は80年代から、モントレー近隣のレース施設「ラグナセカ」をホームコースの1つとしてレース活動をしていたこともあり、モントレー・カー・ウィークに関わる人びとと長年に渡る付き合いがある。
モントレー・カー・ウィークで日系メーカーがデザインコンセプトを披露することは、けっしてめずらしくない。
ただし、それらはトヨタならレクサス、日産ならばインフィニティと、自社のプレミアムブランドとしての扱いとしてきた。
今回のアキュラも、そうしたこれまでの流れを踏襲していると思える。
ただし、アキュラは日本国内では正規ルートでは未販売であるため、アメリカ現地を含めてグローバルでの各種発表を日本のホンダ企業ホームページでアキュラを紹介する機会はとても少ない。
それなのに、今回はなぜ日本向けにも広報したのか?
ホンダEV戦略の全体像は?
日本のホンダ企業ホームページで、クルマ分野のニュースリリースの過去ログを見てみると、アキュラ関連ニュースはいま(2022年8月下旬)の4年半ほど前となる2018年1月に北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)での「RDX」プロトタイプ世界初披露まで遡る。
筆者はその現場にも居たが、当時のアキュラは「NSX」を頂点とする「〇〇X」という3文字ラインナップがひと通り出揃い、北米に加えて中国市場での販売拡大を狙っていた時期であった。
しかし、2010年代後半末期に入ると、欧州連合(EU)の執務機関である欧州委員会(EC)による欧州グリーンディール政策という政治的な動きや、ESG投資(エンバイロンメント「環境」・ソーシャル「社会性」・ガバナンス「企業統治」)に関する投資)が、まるで90年代末の日本バブル期にようにグローバルで急激に広がっていく。
その影響で、当初はハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、そしてEVという段階的な電動化戦略を描いた、ドイツを筆頭とした自動車メーカー各社が企業方針を一転し、一気にEV化というトレンドが生まれた。
また、ESG投資は米テスラの株価を一気に押し上げ、またテスラの中国市場参入にも大きなプラス効果を生むことになる。