公道走るレーシングカー 新型ポルシェ911 GT3 RS 実車公開 サーキット焦点のハードコアモデル

公開 : 2022.08.22 18:25

ポルシェの新型911 GT3 RSの実車が、米カリフォルニア州で開催のモントレー・カー・ウィークで披露されました。エアロダイナミクスを最適化し、レーシングカー並のダウンフォースを発生する最上級モデルです。

3000万円オーバーの最新911

米カリフォルニア州で開催されたモントレー・カー・ウィークで、新型ポルシェ911 GT3 RSの実車が披露された。スポーツ走行に焦点を当てたハードコアモデルで、ポルシェによると、911史上「最もサーキットにフォーカスし、エアロダイナミクスを最適化」しているという。

日本向け価格は3134万円(税込み)から。8月16日より予約受付を開始している。911にGT3 RSが設定されるのは、2018年以来となる。

モントレー・カー・ウィークで公開されたポルシェ911 GT3 RS
モントレー・カー・ウィークで公開されたポルシェ911 GT3 RS    AUTOCAR

搭載されるパワートレインは、自然吸気4.0Lフラット6。最高出力525ps(386kW)を発生し、0-100km/h加速3.2秒、最高速度296km/hに達する。全車に装備される7速PDKは、全体的なギア比が911 GT3よりも短くなっている。ドライブモードは「ノーマル」、「スポーツ」、「トラック」の3種類を用意。

パフォーマンスとエアロダイナミクスを向上させるため、メカニカル面ではカスタマーレースカーである911 GT3 Rからインスピレーションを得ている。ダウンフォースは991.2世代の2倍、既存の911 GT3の3倍に達し、200km/hでは409kg、285km/hでは860kgを発生させる。

空力に特化したハードコア仕様

ラジエーターも大きく変更されており、従来の911でラゲッジルームがあるノーズに、大型のラジエーターを集中配置。これにより、両サイドにできたスペースを活用してアクティブ・エアロダイナミクスを拡大することが出来た。このラジエーター配置は、ル・マンを制した911 RSRで初めて採用され、その後911 GT3 Rにも導入されたものだ。

リアエンドには、公道向けの911としては最大の「スワンネック」ウィングが採用され、幅は約180cm、上端はルーフより高い位置に設定されている。その他の空力対策としては、新しいサイドブレード、フロントホイール後方のインレット、リアスプリッターなどがある。

モントレー・カー・ウィークで公開されたポルシェ911 GT3 RS
モントレー・カー・ウィークで公開されたポルシェ911 GT3 RS    AUTOCAR

さらに、ポルシェの市販車としては初めてドラッグ・リダクション・システム(DRS)を搭載している点も大きな特徴だ。ウィングをフラットにして空気抵抗を減らし、直進速度を上げるとともに、空力による減速効果を狙ったエアブレーキ機能も備えている。

フロントには、対向6ピストンのアルミニウム製モノブロック固定キャリパーと直径408mmのブレーキディスクを採用。ピストン径32mm、厚さ36mmと、911 GT3よりも大型化した。車両重量は、先代のGT3 RSが1430kgであったのに対し、新型では1450kgとなっている。

オプションとしては、クラブスポーツ・パッケージを無料で追加することができる。このパックには、消火器、6点式シートベルト、スチール製ロールオーバーバーなどが含まれている。

ヴァイザッハ・パッケージ(有料)も用意されている。こちらを選ぶと、ボンネット、エクステリアミラー、リアウィングにカーボン織り目仕上げが施され、ロールバー、磁気テクノロジーを採り入れたシフトパドル、マグネシウム鍛造ホイールなどが装着される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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