SUVの流行に疑問を抱く ホンダ・シビック e:HEVへ英国試乗 カタチに多くのメリット
公開 : 2022.09.02 08:25
ホンダ定番のシビックが11代目へモデルチェンジ。SUV人気に疑問を抱かせる優れた仕上がりだと、英国編集部は評価します。
もくじ
ー設計は主に要求の高い欧州で
ー速度上昇とともにエンジンの回転数が上下
ーBEVのように滑らかな加速 広く好印象な車内
ーSUVの流行に疑問を抱かせる仕上がり
ーホンダ・シビック e:HEV アドバンス(英国仕様)のスペック
設計は主に要求の高い欧州で
ホンダの定番ハッチバック、シビックが11代目へモデルチェンジした。英国では2022年10月から納車が始まる予定だが、今回はひと足先に、この地で試乗させてもらうことができた。
11代目になっても、世界各国で販売されるグローバルモデルではある。だが、設計は専ら要求の高い欧州で進められており、英国の一般道との愛称も良いと考えられる。
英国価格は、2万9595ポンド(約488万円)から3万2995ポンド(約544万円)。トリムグレードは3種類が用意されている。ボディサイズは、全長が4550mmありCセグメントでは最長。全高は1415mmで、Cセグメントのなかで最も低い。
近年はクロスオーバーやSUVへ多くの市民が流れており、フォードにフォーカスのモデルチェンジを考えさせるほど。シビックのフォルムが従来的に感じられることは確かだ。
英国へ導入されるのは、ガソリンエンジンにe:HEVと呼ばれる電動化技術が組み合わされたハイブリッドのみ。CVTなどのトランスミッションは、驚くことに搭載されていない。高性能なタイプRがやって来るまで、このパワートレイン1本で販売される。
速度上昇とともにエンジンの回転数が上下
主力としてシビックを走らせるのは、183psを発揮する駆動用モーター。143psを発生するガソリンエンジンは2.0Lの自然吸気で、基本的には発電が主な役割となる。
システムとしてはホンダ・ジャズ(フィット)やHR-Vのハイブリッドと同じだが、シビックの場合は駆動用モーターが遥かにパワフルで、エンジンが走行へ直接関わる機会は少ない。日常的な条件で走っている限り、フロントタイヤへはパワーを伝えない。
ガソリンエンジンが発電から駆動へ役目を切り替えるのは、高速走行などの高負荷時。クラッチが繋がり、固定レシオのギアへパワーが伝えられる。
エンジンが発電に徹している条件では、スピードなどと関係なく静かに始動。加速時はATが変速を繰り返すように、速度の上昇とともにエンジンの回転数を上下させる制御が働き、サウンドも響いてくる。やや反応が遅れ気味だが。
一方で、ステアリングホイール裏のパドルを引くと、回生ブレーキの強さが変化する。メーターパネルにはレブカウンターが付いていて、スポーツモードも選べる。この組み合わせに、不自然な印象がないわけではない。
駆動用バッテリーは、ケーブルをつないで充電することはできない。しかし、バッテリーEV(BEV)に乗り慣れていない限り不満は感じないだろう。燃費はすこぶる良く、気張らずに21km/L以上の結果が得られる。