アウディ、F1参戦を表明 パワーユニット開発で2026年から 提携チームは未発表
公開 : 2022.08.26 20:45
アウディがF1への参戦を固めました。パワーユニットのサプライヤーとして、2026年からモータースポーツの頂点を争うことに。しかし、どのチームと提携するかは明らかではありません。
PUサプライヤーとして参戦決定
アウディがついに2026年シーズンのF1選手権への参戦を固めた。パワーユニット(PU)のサプライヤーとして、モータースポーツの頂点を狙う。
F1を主催するFIAは、2026年シーズンに新しいパワーユニット規定を導入する。これを受けて、数か月前からアウディとポルシェのF1参入の可能性が高まっていた。
アウディはドイツ・ノイブルのモータースポーツ部門で独自のパワーユニットを製造する。今週末のベルギーGPに先立って行われた記者会見で、マルクス・ドゥスマンCEOと最高技術責任者のオリバー・ホフマンは、F1での開発が市販車にも活かされると示唆した。アウディによると、「F1のパワーユニットがドイツで製造されるのは、10年以上ぶりのこと」だという。
アウディのエンジンがどのマシンに搭載されるかはまだ不明だが、今年中に2026年のパートナーを発表するとしている。
記者会見でドゥスマンCEOは、次のように述べた。
「モータースポーツは、アウディのDNAに欠かすことのできないものです。F1は、アウディブランドにとって世界的な舞台であると同時に、非常にチャレンジングな実験場でもあります」
「新しいルールができた今こそ、参加する絶好の機会です。F1もアウディも、サステナビリティの目標を明確に追求しているのです」
一方、アウディはLMDhプロトタイプで世界耐久選手権に復帰する計画も持っていたが、今後はF1への取り組みに集中するため、取りやめることとなった。
F1規定の改定が決め手に
アウディ・スポーツのマネージングディレクターであるユリウス・ゼーバッハは、「アウディのモータースポーツの歴史において、F1は次の大きな節目となる」と語り、自身もまもなく現職を離れ、「技術開発の新しい戦略的ビジネスエリアを担当し、執行委員会に直接報告することになる」ことを明らかにした。
F1では、レギュレーション改定の一環として、排気ガスからエネルギーを取り出すモータージェネレーターユニット(MGU-H)を2026年から廃止する。アウディもポルシェも、このような市販車開発とは直接関係のない複雑なシステムの開発コストを懸念し、廃止の決定を待っていた。
これ以降、より一般的な運動エネルギー回生システムのみ使用することになる。これは市販のEVと同様、ブレーキ時の減速エネルギーを回収するものだ。
また、持続可能な燃料の使用に向けた動きや、2023年に導入されるコストキャップも、アウディがF1に参加する主な動機として挙げられている。
アウディによると、ノイブルクの開発センターにはすでにF1パワーユニットのテストベンチが設置されており、「人員、建物、技術インフラの面で」準備を始めているとのこと。また、アウディ・スポーツが100%出資するF1パワーユニット開発専門の新会社も設立した。最近FIAからアウディに移籍したアダム・ベーカーは、F1プロジェクト責任者としてこの新会社を率いることになる。
しかし、ポルシェはまだF1参戦を明らかにしていない。ポルシェは、昨年ホンダがF1から撤退したのに伴い、英国に拠点を置くレッドブル・テクノロジーズの株式50%を取得すると広く伝えられている。この提携が具体的にどのような形にまとまるかはまだ不明で、ポルシェもこの報道に対する公式コメントを出していない。