快適でありながら鋭敏 BMWアルピナ XD4へ試乗 クワッドターボ直6 394psのクーペSUV
公開 : 2022.09.07 08:25
ディーゼルエンジンでクーペボディの高性能SUV、XD4。ブランドらしい上質な仕上がりを英国編集部は評価します。
もくじ
ークーペボディでディーゼルエンジンのSUV
ー直6クワッドターボで394ps 特別感ある車内
ー鋭いスタートダッシュ 乗り心地は硬め
ー快適で鋭敏 楽しく運転できるSUV
ーBMWアルピナ XD4(欧州仕様)のスペック
クーペボディでディーゼルエンジンのSUV
今回試乗したアルピナは、クーペボディでディーゼルエンジンのSUVだ。サーキットではなく、公道で比較的自由に運転することができた。
アルピナといえば、BMWのMほどシリアスなスポーツカーではなく、控えめで上質なドライバーズカーへ仕立てることを得意とするブランド。全高が高く重さのあるモデルにも、近年はラインナップを広げている。
このアルピナの姿勢は、BMWが買収を決断した理由の1つといえる。ミュンヘンの上級ブランドは、Mモデルとアルピナ・モデル、両方を抱えることに可能性を見出したのだろう。少なくとも2025年までは、従来どおり独自モデルの販売が続けられるけれど。
クーペボディのXD4とワゴンボディのXD3は、基本的なメカニズムを共有している。2021年にマイナーチェンジを受けており、そのタイミングでXD4は英国市場での提供が終了した。とはいえ、熱心に問い合わせれば購入できなくはないだろう。
実用的なXD3は残った。英国価格は6万9600ポンド(約1148万円)からとなる。
ポルシェは現在のマカンにディーゼルエンジンを搭載しておらず、乗りやすいサイズの高性能SUVのなかで、XD4やXD3の独自性は強いといえる。このクラスで高性能と燃費を両立したいという、ニッチな要求を満たしている。
直6クワッドターボで394ps 特別感ある車内
フロントに搭載されるのは、BMWの3.0L直列6気筒クワッドターボ・ユニット。4基もターボが組まれるが、大きなターボと小さなターボが1基ずつ連なるという、珍しい構造が取られている。
最高出力の394psは、4000rpmから5000rpmという高めの回転域で発生する。 81.4kg-mもある極太の最大トルクは、僅か1750rpmから湧き出てくる。
トランスミッションは8速オートマティックで、四輪駆動。0-100km/h加速は4.6秒、最高速度は267km/hと、動力性能に一切の不足はない。
ドイツ車は249km/hでリミッターが掛かることが多いが、アルピナにはそんな縛りはない。ドイツへ往来するオーナーは、より高い速度域でアウトバーンを走りたいと考えるためだ。
燃費は14.1km/L。もちろん、アウトバーンを飛ばせば遥かに悪くなる。
ドアを開くと、ブランド伝統のテイストで仕立てられたインテリアが広がる。控えめながらハイエンドな素材が用いられ、カーボンファイバーや深い艶のウッドパネルがあしらわれる。シートを包むレザーは、特別感に溢れている。
BMWのデザイナーが考え抜いた、機能的なデザインは基本的に変わらない。人間工学でも、至らない点は見つからない。空間的な広さはX4に準じるから、より広い荷室や優れた後方視界を望むなら、X3へ準じるXD3を選んだ方が良いだろう。