小さくて何が悪い? 忘れがたい小排気量エンジン搭載車 18選 ファッショナブルな1台も
公開 : 2022.09.04 06:05 更新 : 2022.09.26 14:36
排気量の小さいエンジンを搭載した、忘れられないクルマを18台取り上げます。どれも個性的で、パワーはなくても運転が楽しく、ファッショナブルで可愛いものばかり。
もくじ
ー小さくても心を揺さぶる1台
ークラン・クルセイダー - 875cc
ーフォルクスワーゲンXL1 - 800cc
ーオースチン7 - 696cc
ーケータハム・セブン160 - 660cc
ースズキ・カプチーノ - 657cc
ータタ・ナノ - 624cc
ースマート・フォーツー - 599cc
ーNSUヴァンケル・スパイダー - 497cc
ーフィアット500ヌォーヴァ - 479cc
ーシトロエン2CV - 375cc
ースバル360 - 356cc
ーホンダN360 - 354cc
ーバークレーSE322 - 322cc
ーBMWイセッタ - 245cc
ーハインケル・カビーネ - 174cc
ーメッサーシュミットKR175 - 173cc
ーボンド・ミニカー - 122cc
ーピールP50 - 49cc
小さくても心を揺さぶる1台
エンジンを小型化する「ダウンサイジング」は、自動車業界におけるトレンドの1つとなっている。だが、今回紹介するモデルは、どれも初めから小排気量のものばかり。エンジンを話題に挙げると、どうしても排気量の大きいものに注目が集まりがちだが、あえて小さいものに焦点を当てていきたい。
小排気量のエンジンは、すべて経済的な理由からサイズを抑えているわけではない。倹約よりも性能を重視したものもある。本稿では、これまで自動車に搭載された中で、最小にして最高のエンジンを、排気量の大きい順に紹介する。
クラン・クルセイダー – 875cc
英国生まれのクラン・クルセイダーは、排気量875ccの4気筒エンジンを搭載している。クルセイダーが登場した1970年代初頭の他社製スポーツカーに比べれば、とても小さなエンジンであった。クルセイダーで何よりも特別だったのは、グラスファイバー製の軽量なボディで、車重はなんと578kgに抑えられている。
後部に搭載されたエンジンは、ヒルマン・インプのユニットをチューニングしたもので、最高出力52ps、最高速度160km/h、0-97km/h加速12.5秒という性能を誇る。インプのエンジンはなかなか優秀なもので、高速走行やモータースポーツ向けに100ps以上にチューンすることも簡単だった。クルセイダーもサーキットやラリーステージで一定の成功を収めている。
フォルクスワーゲンXL1 – 800cc
2013年に生産が開始されたフォルクスワーゲンXL1。複合燃費111km/l、新車価格9万8515ポンド(約1600万円)、200台の限定生産など、注目すべき点は多い。多すぎて、800ccターボディーゼルエンジンの存在は見落とされがちだ。
XL1は、このエンジンに出力27psの電気モーターを組み合わせたハイブリッド車で、0-100km/h加速11.9秒、最高速度160km/hという性能を発揮する。燃費も桁違いだが、これは抗力係数わずか0.186という、エアロダイナミクスに特化したボディの功績も大きい。この記事の中では抜群の空力性能を持っている。
オースチン7 – 696cc
1922年生まれのオースチン7は、発売されるや否や大ヒットを飛ばし、今でも英国の自動車史上最も重要な国産車の1つである。排気量696ccの4気筒エンジンは、すぐに747ccに拡大されたが、重要なのはその後40年にわたる小型車のひな型を作ったことだ。また、現在のフットペダルのレイアウトを標準化したのもこのクルマで、運転経験のない人でも簡単に乗れるようになっている。
第二次世界大戦後、7のエンジンは多くのスポーツカーのベースとなり、英国のモーターレースクラブ「750モータークラブ」(750は7の排気量に由来)の基礎を築いた。同クラブは現在もオースチン7ベースのレース活動を続けており、オリジナルのエンジン(10.6ps)からは想像もできないようなパワーを発揮するマシンも多く出走する。