欧州で一番売れているクルマ 7月販売台数トップ10
公開 : 2022.09.02 06:05
欧州27市場における7月の新車販売上位10車種を紹介。フォルクスワーゲンTロックがトップに立ちましたが、全体として部品不足の影響が現れています。
もくじ
ー7月の欧州販売台数ランキング
ー1. フォルクスワーゲンTロック:1万8938台(前年同月比15%増)
ー2. ダチア・サンデロ:1万6632台(19%減)
ー3. プジョー208:1万6317台(51%増)
ー4. トヨタ・ヤリス:1万4923台(21%減)
ー5. ダチア・ダスター:1万4920台(21%減)
ー6. フィアット500:1万4923台(20%増)
ー7. ヒョンデ・ツーソン:1万4339台
ー8. フォルクスワーゲン・ゴルフ:1万4374台(26%減)
ー9. オペル/ヴォグゾール・コルサ:1万3992台(12%増)
ー10. キア・スポーテージ:1万2698台(37 %増)
7月の欧州販売台数ランキング
2022年7月の欧州市場の新車登録台数は、前年同月比で10%減少。一方で、EV(電気自動車)の普及は続いており、PHEV(プラグインハイブリッド車)を置き去りにして市場シェアを拡大した。
調査会社ジェイトー・ダイナミクスによると、欧州27市場の7月の登録台数は86万6038台となり、2021年7月の96万6453台から減少している。これまでのところ、2022年の累計登録台数は639万8609台となり、前年同期比で13%少ない。パンデミックの影響が最も深刻だった2021年1~7月に匹敵する水準である。
ジェイトーのグローバルアナリストであるフェリペ・ムノス氏は、「半導体不足と消費者の信頼感の欠如により、市場は新型コロナウイルスの発生時と同じくらいダメージを受けています」と述べている。
これまで、世界的に続く半導体不足とロシアのウクライナ侵攻が販売落ち込みの原因として挙げられてきた。特に電動モデルの生産は、大きな影響を受けている。
欧州各国ではPHEVに対する税金等の優遇措置が減っていることもあり、7月のPHEVの販売は、22%減少した模様。
「PHEVは、規制当局からの支持を失いつつあり、すでに市場でのポジションに影響を及ぼしています」とムノス氏は分析。「各国政府は純粋な電気自動車(BEV)へと業界を誘導しようとしていますが、欧州全域で低排出ガス車を広く普及させるためには、ハイブリッド車が依然として重要な役割を担っています」
PHEVの販売にブレーキがかかる一方、BEVは前年比20%増の9万139台となり、全登録台数の10.4%を占めた。
フォルクスワーゲン・グループは、世界的な部品不足の影響を特に強く受けたとされる。ジェイトーは、フォルクスワーゲンID.3などを中心に、「EVの納車に苦労している」とコメント。
フォルクスワーゲン・グループの納車遅れを受け、シェアを伸ばしたのがステランティスとルノーだ。ステランティスは前年同期比41%増、ルノーは66%増を記録した。中国メーカーも好調で、SAIC(上海汽車集団)傘下のMGは前年比56%増の3000台を販売した。
ムノス氏は、「中国メーカーは徐々に順位を上げており、手頃で魅力的なEVを求める人々にとって信頼できる選択肢となっています」と述べている。
そんな中、7月の販売ランキングでトップに立ったのはフォルクスワーゲンTロックで、プジョー208を3か月ぶりに首位から陥落させた。Tロックは前年比15%増の1万9938台が販売された。
7月の欧州販売台数トップ10は、以下の通り。