タイカンとの違いは? 次期ポルシェ・パナメーラEV 新世代の電動サルーン
公開 : 2022.09.06 06:05
ポルシェは、2代目となる次期タイカンとコンポーネントを共有する大型モデルとして、パナメーラのEV版を導入する計画です。
2代目タイカンの兄弟車 最上級サルーンへ
ポルシェは、第2世代となる次期タイカンの開発を進めている。このモデルは、2020年代末までに最大6車種の電動モデルを送り出す計画の一環として、パナメーラのEV版と「双子」になることが決まっている。
どちらのEVも、ポルシェが開発中のプラットフォーム「SSPスポーツ」を採用する。フォルクスワーゲン・グループのスケーラブル・システム・プラットフォーム(SSP)をベースに、スポーツモデル向けに改良したものだ。これを「ポルシェ専用モジュール」と呼ばれるものと組み合わせる。
スリムなバッテリーパックによる低いキャビンフロアや、現行のJ1プラットフォームと同様のリアフットウェルなどを実現し、低重心によるダイナミクス向上を目指しているという。
パナメーラのEV版は、プラットフォームやパワートレインをタイカンと共有しつつ、現在の内燃機関モデルおよびPHEVモデル(MSBプラットフォームベース)とともに販売される。
まだ開発の初期段階だが、中国で販売されている既存のロングホイールベースのパナメーラと同様のサイズ(ホイールベース3100mm、全長5199mm)になることが示唆されている。そうなると、サイズ的にはメルセデスAMG EQS 53やルーシッド・エアなどと競合することになる。
ちなみに、現行モデルのタイカンはホイールベース2900mm、全長4963mmで、次期モデルでもほぼ変わらないと思われる。そのため、パナメーラEVとはサイズ面で差別化されることになるだろう。
パワートレインとしてはシングルモーターとデュアルモーターが設定され、800Vの出力に対応した次世代バッテリーが搭載される見込み。
ポルシェのCEOであるオリバー・ブルーメは、タイカンより大型のパナメーラEVを投入する計画について、「特に利益率の高いセグメントをターゲットにしており、新しい販売機会の獲得を目指しています」と述べている。
次期タイカンとパナメーラEVは、プラットフォームやパワートレインといった主要コンポーネントに加え、レベル3の自動運転機能、5G対応のデジタル機能、フォルクスワーゲン・グループ傘下のカリアド社と共同開発したOSをサポートするための電気アーキテクチャを共有する予定だ。
現行モデルのパナメーラは、2023年に改良型が導入される見込み。情報筋によると、2030年まで生産される計画で、市場や規制の枠組みに応じて、内燃機関、PHEV、BEVを展開するという。
スタイリングについて、ポルシェのある関係者は、「フロントエンドとリアエンドには、(BEV)独自のデザイン要素が見られるでしょう。しかし、パナメーラのコアデザインは共通です」としており、パワートレインの違いによる外観の差はあまり大きくないようだ。
タイカンと同様に、シングルモーターで後輪駆動のS、デュアルモーターで四輪駆動の4S、GTS、ターボ、ターボSと、幅広いバリエーションを展開すると予想されている。