BEVで夏の小旅行 アウディQ4 eトロン(9) 英国からベルギーへ340km 長期テスト

公開 : 2022.09.18 09:45

純EVでのプレゼンス拡大を狙うQ4 eトロン。電動時代における上級ファミリー・クロスオーバーの魅力を確かめます。

積算1万2100km ソフトウエアの点検

前回もご報告したが、長期テストで乗っているアウディQ4 eトロンは、ソフトウエアの不具合を抱えている。稀にだが、インフォテインメント・システムが強制終了したり、スピードメーターが動かなくなったりする。

そこで、50グレードのQ4を代車で借りつつ、ディーラーで本格的に点検してもらうことに。英国読者の反応を見る限り、このQ4 eトロンに限った不具合ではない様子。

アウディQ4 eトロン・スポーツバック 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン・スポーツバック 40 スポーツ(英国仕様)

PS:後日、再発せずに原因不明で戻ってきた。

積算1万2319km ドーバー海峡を超えてベルギーへ

バッテリーEV(BEV)での海外旅行を想像すると、航続距離の問題を真っ先に思い浮かべるのではないだろうか。フランスとトンネルで繋がった英国に住む筆者でさえ、当初は不安に感じた。

自宅やオフィスなど、慣れた場所での充電環境は使えなくなる。こまめな充電が必要になり、思い通りのペースで移動できないのではないかと。

アウディQ4 eトロン・スポーツバック 50 クワトロ Sライン(英国仕様/代車)
アウディQ4 eトロン・スポーツバック 50 クワトロ Sライン(英国仕様/代車)

しかし、2022年の夏にフランスとベルギー、オランダを巡る数日の旅を経験し、それは杞憂に過ぎないとわかった。実際のところ、筆者の自宅から休暇を過ごした場所までの道路区間は約340km。航続距離の範囲内だった。

ちなみに、長期テストのアウディQ4 eトロンは、ソフトウエアの点検でディーラー入りしており、この旅行はツインモーターのQ4 eトロン・スポーツバック 50で楽しんだ。ご了承いただきたい。

充電器のシステムもまだ完全ではない

自宅を出発し、ドーバー海峡に掛かるユーロトンネルの入り口へ到着した時点での駆動用バッテリーの残量は60%。クルマを運ぶ列車に載せるまで、45分ほど待つことに。

そこではテスラの急速充電器、スーパーチャージャーが一般ユーザーにも開放されている。約10ポンド(約1650円)で26%分の電気を蓄えることができた。

アウディQ4 eトロン・スポーツバック 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン・スポーツバック 40 スポーツ(英国仕様)

必ずしも充電する必要はなかったものの、少し長めの休憩を取りつつ、より多い充電量で欧州大陸に上陸したいと考えた。安心感が違う。

フランスから北東に進み、ベルギーへ入国。国境沿いのフールネという街にある、アイオニティ社の充電器を利用することにした。ところが、この充電器に約10ポンド(約1650円)を2回も請求されてしまった。

問い合わせると、筆者のミスか、銀行側のシステム処理のエラーだという。アイオニティ側の不具合ではないらしい。再発の可能性は低いから気にする必要はないと、カスタマーサービスのオペレーターは話す。

お金は戻らず、腑に落ちないままその場を離れた。筆者にできる最善の方法は、この充電器は利用しないということかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト アウディQ4 eトロンの前後関係

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