フェラーリがSUVだと! 「プロサングエ」発表 4ドア/4座「スポーツカー」 いま実現のワケ

公開 : 2022.09.14 02:00  更新 : 2022.09.14 16:50

フェラーリ・プロサングエが発表。4ドア・4座でフェラーリが実現した「スポーツカー」を解説します。

「このクルマは、スポーツカーです」

フェラーリは、2022年9月13日に新車「プロサングエ」を、イタリア・トスカーナ地方のピサで発表した。

フェラーリ初の4ドアでフル4シーター。6.5L V12エンジンのフロントミドシップ。常時4つの車輪を駆動する。

フェラーリ・プロサングエ
フェラーリ・プロサングエ    フェラーリ

「このクルマは、スポーツカーです」

フェラーリはSUVは作りませんと、発表会に先立ってマラネロのフェラーリ本社でおこなわれたジャーナリスト向きのお披露目の席上で、チーフマーケティング&コマーシャルオフィサーのエンリコ・ガリエラ氏はそう強調したのが印象的だった。

4973mmの全長に対して、1589mmの全高。かりに、ランボルギーニウルス(5112mm×1638mm)と較べてみると、プロサングエはひとまわりコンパクトで、車高は低め。

ノーズの長さを強調したスタイリングで、SUV的な無骨さはほぼ感じさせない。

プロサングエとは、英語にするとサラブレッド。

「ピュアフェラーリだという自信ゆえ、この名を選びました」と、さきのガリエラ氏はいう。

スタイリングを見ていると、なるほどと思う。

マラネロでの発表会に出席したチーフデザインオフィサーのフラビオ・マンツォーニ氏も「あくまでスポーツカーとしてデザインしました」と語っていた。

上部は美しさを、下部はテクノロジーを

ユニークなのは、ボディ各所の空力処理。

とくにヘッドランプ上にエアインレットを設け、そこから空気を取り込んで、ドアの手前のアウトレットから抜く設計などユニークだ。

フェラーリ・プロサングエ
フェラーリ・プロサングエ    フェラーリ

「それによってダウンフォースを生み出します」とマンツォーニ氏は解説してくれた。

「プロサングエは、デザインチームとエンジニアリングチームの合作。あたらしいスポーツカーを作ろうと協力しあいました」。チーフプロダクトデベロップメントオフィサーのジャンマリア・フルゼンツィ氏は語る。

もう1つ、プロサングエのデザイン上の特徴は「フローティングボディ」とマンツォーニ氏。

ホイールアーチ部に注目してもらうとわかると思うけれど、そこにギャップがあって、「ボディの上半分と下半分を合体させたようなイメージがわかるのでは」と同氏は説明する。

「上半分はビューティフルスカルプチャー(審美的な価値の高い造型)で、下半分はテクノロジーを感じさせるもの。それを合体させた新しいデザインテーマです」。マンツォーニ氏は得意満面というかんじで教えてくれた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    小川フミオ

    1959年生まれ。慶應義塾大学文学部英米文学科卒業。二玄社(にげんしゃ)で「NAVI」の編集に携わる。1999〜2001年、編集長。02年より「モーターマガジン」(モーターマガジン社)の編集長に。同年秋より「Food and Style」を謳うグルメ誌「アリガット」(IMAGICAパブリッシング)の編集長に。2004年よりフリーランス。
  • 編集

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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