フォルクスワーゲンから電動オフローダー IDエクストリーム・コンセプト登場
公開 : 2022.09.12 19:45
フォルクスワーゲンは、ID.4をベースとした電動オフローダーコンセプト「IDエクストリーム」を公開しました。最高出力380ps以上のモーターを搭載し、悪路に適した装備を整えています。
エンジン音も再現? オフロードEV
フォルクスワーゲンは、EVのID.4 GTXをベースにしたオフロード・コンセプト「IDエクストリーム(ID.Xtreme)」を公開した。このようなモデルの需要を調査している。
IDエクストリーム・コンセプトは、フロントのブルバー、オフロード用タイヤ、ルーフに取り付けられたLEDライトバーなどを備え、標準のID.4 GTXとは大きく異なるビジュアルとなっている。
リアモーターの改良とソフトウェアの見直しにより、出力はID.4 GTXより88ps増の387psに向上している。ただし、コンセプトでは中古のバッテリーパックを使用しているため、どの程度の航続距離となるかは不明。カーボンの発生を抑えるため、新車のID.4を改造するのではなく、テスト車両として使われていたもの(いわば中古車)を再利用しているのだ。
キャビン下に配置されたバッテリーを保護するため、アルミニウム製のアンダートレイがボディを完全に密閉している。また、ホイールハウジングには専用開発のノイズメーカーが装着され、独自の「音」を作り出す。これがどのように機能するかは不明だが、同様の装置がニュージーランドのラリードライバー、ヘイデン・パッドンの乗るヒョンデ・コナEVでテストされ、V10時代のF1を彷彿させるような音を生み出している。
パッドンのラリー車では演出の意味合いが強かったが、「エンジン」音を出すことで歩行者の安全を確保するという狙いがあり、フォルクスワーゲンの今後のEVに広く導入される可能性もある。
ファンの反応次第で市販化の可能性も?
同社のMEBプラットフォームをベースとする製品ラインの責任者であるシルケ・バグシクは、次のように述べている。
「多くのお客様にとって、自動車は単なる移動手段ではありません。IDエクストリームでは、フォルクスワーゲンの電動モビリティを新たな性能レベルに引き上げようとしています」
また、バグシクは、このコンセプトがオフロードに特化したEVモデルのリトマス試験であることを示唆した。
「わたし達は、電動モビリティのファンがこのクルマにどのような反応を示すのか、ぜひ知りたいと思っています。コミュニティからのフィードバックに基づいて、プロジェクトをどのように進めるかを決定する予定です」
IDエクストリームは、電動モビリティのファン向けにスイス・ロカルノで開催された自動車イベント「IDトレフェン」に出展されている。ファンからの熱い支持が集まれば、IDEAエクストリームの市販版の開発が始まるかもしれない。