パガーニ 新型ユートピア発表 7速MT、6.0L V12のアナログ・スーパーカー

公開 : 2022.09.13 18:45  更新 : 2022.09.18 15:33

イタリアのパガーニは、ウアイラの後継モデルとして新型ユートピアを発表。電動化の波に逆行し、あえてV12エンジンとマニュアル・トランスミッションを採用。時代を越えたアナログなデザインとなっています。

6.0L V12に7速MT 軽さを追求

イタリアの自動車メーカー、パガーニは、ウアイラの後継モデルとして新型ユートピア(Utopia)を公開した。V型12気筒エンジン、7速マニュアル・トランスミッションを搭載し、軽量設計が特徴である。

ユートピアは、パガーニにとって3台目のスーパーカーとなる。ライバルの電動化の動きや、必然的な重量ペナルティから一歩距離を置き、軽さと「ドライビングプレジャー」という伝統的な特性を重視して作られている。

パガーニ・ユートピア
パガーニ・ユートピア    パガーニ

カーボン製チューブを採用し、車両重量は1280kgに抑えた。これはウアイラより67kg、ライバルのピニンファリーナ・バッティスタ(電気駆動)より716kgも軽い。

また、ウアイラでは7速シーケンシャルATを搭載していたが、ユートピアにはXtrac製の軽量な7速MTが採用され、ゾンダ以来のゲート式シフトとなっている。また、市街地走行ではオートマチックモードに切り替えることができるなど、使い勝手の良さも考慮されている。

MT復活を決定した理由として、「オートマチック・トランスミッションがどんなにインテリジェントになったとしても、ドライバー自身がギアチェンジを使いこなすことに勝るものはない」とパガーニは述べている。

エンジンは、メルセデスAMG製6.0L V12ツインターボを搭載し、最高出力876ps、最大トルク112kg-mを発生する。ウアイラのワンオフモデルであるNCよりもハイパワーだ。

ブレーキはブレンボ製カーボンセラミックディスク。フロント21インチ、リア22インチの鍛造ホイールにはピレリPゼロ・コルサを装着する。サスペンションとしては、ヘリカルスプリングと電子制御ショックアブソーバーを備えたダブルウィッシュボーンを装備している。

時代を越えたアナログなデザイン

パガーニのオーナー兼チーフデザイナーのオラチオ・パガーニは、ユートピアのデザインについて、「タイムレス」で「シンプル」な外観を追求したと語っている。

6年間の開発期間を経て、アグレッシブな先代ウアイラに比べ、ソフトな印象のクルマとなった。スポイラーなどのアドオンは廃止され、機能的な外観でありながら、ウアイラよりもダウンフォースを高め、ドラッグを低減させることに成功している。リアには、パガーニの定番であるクワッドエグゾーストが備わる。

パガーニ・ユートピア
パガーニ・ユートピア    パガーニ

オラチオ・パガーニは次のように述べている。

「わたし達は、情熱と努力と犠牲を払って、時代を超越する最先端テクノロジーを駆使したクルマを作り上げました」

「この精力的で創造的なプロセスに没頭した後、このプロジェクトが表す理想はわたしにとって非常に身近なものとなりました。それを表現しようとするいかなる試みも、不十分に感じられます」

インテリアでは、削り出しのスイッチ類など細部へのこだわりが感じられる仕上がりとなった。シャシーやパワートレインと同様、キャビンもほぼアナログで、ドライバーの前には小さなスクリーンが1つだけ存在する。新デザインのステアリングホイールは、無垢のアルミニウムブロックから削り出されたもの。

新型パガーニ・ユートピアは99台の限定生産で、価格は未定ながら、すでに完売となっている。今後、サーキット仕様やコンバーチブルの発売も検討されている。

※9月13日に公開した内容に誤りがございました。訂正してお詫び申し上げます。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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