エリザベス女王追悼特集 クルマに彩られた人生 23枚の写真で振り返る

公開 : 2022.09.18 06:05

今回は英国のエリザベス女王追悼特集として、これまで女王が乗ってきた、あるいは運転してきたクルマの数々を紹介します。女王は生前、クルマとドライブをこよなく愛していました。

女王のカーライフ

英国では、ほとんどの事柄についてエリザベス女王(エリザベス2世)の意見は明らかにされていない。しかし、彼女が大のクルマ好きであったことは確かなようだ。

1950年には、エリザベス王女として、シルバーストン・サーキットで行われた史上初のF1英国グランプリに立ち会った。1952年に女王となった彼女は、運転したくなければ生涯その必要はなかったが、彼女にとってそれは不都合だったようで、長年にわたってさまざまなクルマを所有し、運転してきた。

エリザベス女王の死を悼みつつ、彼女のカーライフを讃えたい。女王は生前、クルマとドライブをこよなく愛していた。
エリザベス女王の死を悼みつつ、彼女のカーライフを讃えたい。女王は生前、クルマとドライブをこよなく愛していた。

そして、93歳くらいまでクルマに乗り続けたという。この特集では、女王が乗っていたクルマ、そして女王自身が運転していたクルマの数々を紹介する。

陸軍入隊

1945年2月、18歳になったエリザベス王女は、英国陸軍の女性部隊である補助地方義勇軍(ATS)に入隊する。そこでジープやトラック、救急車の整備やメンテナンスを学び、米国のAP通信に「プリンセス・オート・メカニック」と呼ばれ、大きな話題となった。

第二次世界大戦中の1945年2月、補助地方義勇軍(イギリス陸軍が組織する婦人部隊)に入隊。
第二次世界大戦中の1945年2月、補助地方義勇軍(イギリス陸軍が組織する婦人部隊)に入隊。

ロールス・ロイス

戦前の王室御用達の自動車メーカーは主にデイムラー(英国に存在した自動車メーカー)であったが、女王の叔父のエドワード8世はロールス・ロイスを選んだ。1950年、エディンバラ公がエリザベス王女とともにロールス・ロイスのファントムIV(写真手前)を納車し、同ブランドとの関係は一段と緊密なものになる。1952年に女王に即位した後、数年間はこのクルマが主要なセレモニー用車両となり、現在でも時折使用されている。

2022年9月9日金曜日、国王チャールズ3世は、即位初日をバッキンガム宮殿で過ごすため、1992年式のロールス・ロイス・ファントムVI(写真後方、中央)でロンドンのRAFノースボルト飛行場から迎えられた。

ロールス・ロイス
ロールス・ロイス

ランドローバー・シリーズ1

女王はレジャー活動にランドローバーを愛用したが、戴冠式の翌年の1954年にマルタを訪れた英連邦ツアーのときのように、さまざまな公務にも使用した。女王の敬愛する父王ジョージ6世は、1948年に生産100台目のランドローバーを贈られている。

ランドローバー・シリーズ1
ランドローバー・シリーズ1

ルノー・ドーフィン

女王のクルマ人生は、以前の王族たちと同様、ロールス・ロイスなどの高級車だけに留まるものではなかった。女王の曽祖父であるエドワード7世が最初に購入したクルマの1つがルノーで、1904年に14/20HPランドーレットを妻のアレクサンドラ女王に贈ったのだ。

ルノーは1926年、ロンドン西部のアクトン飛行場跡地に工場を建設した。1957年、ルノーはこの写真のように、アクトンで製造されたドーフィンをエリザベス女王に贈っている。チャールズ皇太子はこのクルマで運転を学び、生涯にわたってクルマを愛するきっかけとなった。

ルノー・ドーフィン
ルノー・ドーフィン

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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