新型フォード・マスタング発表 5.0L V8エンジン継続 ドリフト・ブレーキ機能搭載

公開 : 2022.09.15 12:40

アメリカ車のアイコンの1台、マスタングが7代目へ。プラットフォームやV8エンジンなどは6代目の継続となるようです。

2.3L直4と5.0L V8は6先代から継続登用

7代目となる新型フォードマスタングが、2022年のデトロイト・モーターショーで発表された。2023年に販売が始まる予定だが、現在まで58年の歴史を持つポニーカーの、最後の世代となる可能性もある。

モデルチェンジを果たしたマスタングがベースとするのは、6代目のS550型と同じプラットフォーム。北米仕様のフォード・エクスプローラーなどが採用する、最新のCD6と呼ばれるプラットフォームではない。

新型 フォード・マスタング GT(2023年/北米仕様)
新型 フォード・マスタング GT(2023年/北米仕様)

7代目のコードネームはS650を名乗るが、実質的には大幅なアップデートに近いといえる。電動化されたパワートレインは獲得しておらず、次世代の運転支援システムも実装されない可能性が高い。

ふくよかなボンネットの内側に搭載されるのは、2.3L直列4気筒ツインスクロール・ターボのエコブースト・ユニットと、5.0L自然吸気V型8気筒のコヨーテ・ユニットという2種類。こちらも6代目からのキャリーオーバーだ。

ただし、4気筒ターボは全面的に再設計されている。ボアやストロークが異なり、ターボも新しい。

V8エンジンの方も、デュアルコールド・エアインテークと呼ばれる吸気系を獲得するなど、僅かな改良を得ている。どちらも効率を高めつつ、最高出力と最大トルクを向上したという。

トランスミッションは10速オートマティックのほか、6速マニュアルもV8のマスタング GTでは選択できる。具体的な動力性能の数字は発表されていないが、V8エンジンなら0-100km/h加速を4秒前後でこなすはず。最高速度も273km/hは超えるだろう。

4気筒と8気筒で見た目を差別化

7代目は、4気筒と8気筒とでデザインが異なる点が新しい。1964年のオリジナルを彷彿とさせるフロントグリルと、LEDデイライトが内蔵されたヘッドライトなどが特長だが、4気筒では全体的に穏やかだ。

V8のGTでは、グロスブラックのフロントグリルまわりやフロントバンパー、ボンネット上のエアアウトレットなどで差別化が図られている。後者は、エンジンの熱を逃がすだけでなく、フロントグリルからの空気を排出しダウンフォースを生むという。

新型 フォード・マスタングとマスタング GT コンバーチブル(2023年/北米仕様)
新型 フォード・マスタングとマスタング GT コンバーチブル(2023年/北米仕様)

リア側では、4気筒のマフラーが2本出しなのに対し、8気筒は4本出しで迫力をプラス。ディフューザーも大型化される。

インテリアは、ベースグレードでもモニターが2面並ぶ。ミドルグレード以上になると、メーターパネルが12.3インチ、インフォテインメント用が13.2インチへサイズアップし、一体となったパネルへ置き換わる。

インフォテインメント・システムは、フォード最新のシンク4を実装。ソフトウェアはネットワーク上からアップデートでき、多彩なカスタマイズも可能とする。メーターは、1979年から1993年に生産された3代目へ模したグラフィックも選べるそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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