フォルクスワーゲンが考える未来の長距離タクシー 自動運転コンセプト公開
公開 : 2022.09.26 18:25
フォルクスワーゲン・グループは、EVの自動運転コンセプト「Gen.Travel」を公開しました。さまざまな使い方ができるキャビンやガルウィングドアを備えた、未来の長距離タクシーです。
未来の自動運転タクシー 隊列を組んで走行
フォルクスワーゲン・グループは、レベル5の自動運転車コンセプト「Gen.Travel」を公開した。今後10年間で、人々の移動がどのように変化するかを予見したものだ。
キャビンはさまざまなレイアウトが可能で、ビジネスユースには4つのシートとセンターテーブルを、宿泊旅行用にはシートを組み合わせてベッドを作ることができる。フォルクスワーゲンは、個人で所有するものではなく、主に長距離タクシーとしての商業利用を想定している。
Gen.Travelに搭載されている機能や装備は、将来的に市販車に導入される可能性もあるという。例えば、乗り物酔いを軽減する照明や、乗り降りを容易にするガルウィングドアなどは実際に採用されるかもしれない。
Gen.Travelはバッテリー駆動で、航続距離は最大1100kmと見込まれるが、現在の技術では重量ペナルティのある大型バッテリーが必要となる。参考までに、105.2kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電で約600kmを走行可能なBMW iXは、2.5トン以上の車重がある。
これに対処するため、フォルクスワーゲンは小型軽量のバッテリーを使用し、走行時には複数の車両を一列に並ばせ、空気抵抗を減らすことで航続距離を伸ばす隊列走行(プラトーニング)を採用すると述べている。
フォルクスワーゲン・グループのイノベーション部門責任者であるニコライ・アーデイは、このコンセプトを「新しいレベルのドア・ツー・ドア移動」と呼び、「将来の自動運転車がどのようなものになるかを示しています」と述べた。
市販車に導入される可能性がある機能として、アクティブサスペンションの「eABC(エレクトリック・アクティブ・ボディ・コントロール)」が挙げられる。これは、加速、減速、コーナリングによる上下左右の動きを事前に計算し、「走行スタイルと軌道を最適化」して快適性を向上させるものだ。
Gen.Travelは、フランスで開幕するシャンティイ・アート・アンド・エレガンスで公開される予定。