新型BMW XM ブランド初の電動SUV、最高出力は748ps 欧州デビュー

公開 : 2022.09.28 17:45

BMW Mは、新型の電動SUV「XM」を公開しました。PHEVシステムを搭載した高性能のM専用モデルで、走りの良さと快適性を追求しています。なぜこのクルマを開発したのか、Mのトップにもインタビューしました。

M専用の電動SUV 燃費は80km/l

BMWは、Mブランドの電動SUVとなる新型XMを公開した。現在、欧州では受注を開始しており、価格は14万4980ポンド(約2240万円)から。

新開発のPHEVシステムによって最高出力653psと最大トルク81.5kg-mを発揮するが、2023年には最高出力748psの最上位モデル「レッドレーベル」の発売も予定されている。

BMW XM
BMW XM    BMW

BMW Mのおなじみの4.4LツインターボV8と8速ATを搭載し、これに197psと28.6kg-mを発生する電気モーターを組み合わせた。これにより、0-100km/h加速は4.3秒、最高速度270km/h(オプションで制限解除可能)を実現する。

レッドレーベル仕様は、V8エンジンを大幅にアップグレードすることで、総出力を748psと102kg-mに高めている。

BMWは電動パワートレインの効率の良さも強調している。燃費はWLTPサイクルで80km/l、CO2排出量は33g/kmとされ、床下搭載の25.7kWhバッテリーによる電気のみの航続距離は84~88kmを謳う。

四輪駆動だが、スポーツモードではリアへのバイアスを強め、Mの特徴である後輪駆動らしいハンドリングを見せるという。また、リアアクスルのディファレンシャルが必要に応じて左右の車輪にトルクを分配し、「ブレーキ操作なしにアンダーステアの芽を摘む」ことができるほか、アンチロール機能によりコーナリング時の精度を高めるとのこと。

従来のBMWと一線を画すデザイン

BMWは昨年、XMコンセプトを公開した際、その完成度は「90%以上」と述べていた。実際、今回発表された市販モデルでは、コンセプトからのデザイン変更は最小限に抑えられている。

BMW Mのフランク・ファン・ミールCEOはAUTOCARの取材に対し、XMの基本的な理念は「外向的なラグジュアリー」であると語っている。「オンステージ/バックステージのロックスターのようなイメージです。クルマ自体はステージに立っていますが、後部座席には、バックステージのような居心地のよいベンチシートが用意されています」

BMW XM
BMW XM    BMW

後部座席の設計は、従来のMモデルよりも乗員の快適性に重点を置き、「Mラウンジ」として構想された。一体型のスマートフォンフォンホルダー、高級感のあるキルテッドレザー、後席専用のディスプレイ、タブレットマウント、USB-Cポートなどが標準装備されている。

一方、フロントシートはドライビングに焦点を当てている。曲面ディスプレイのM専用グラフィック、ステアリングホイールのMボタン、カーボン製シフトパドル、M専用ペダル、スポーツをテーマにしたさまざまな仕上げやトリムエレメントなど、標準的なBMWのSUVと明らかに一線を画すデザインが随所に施されているのだ。

XMはスポーツカーと見なすべきかとファン・ミールCEOに尋ねると、次のようなコメントが返ってきた。

「とても大きなクルマですが、ドライビングは非常に正確です。もちろん、床下に大きなバッテリーを積んでいれば重心が下がるので、サスペンションをより正確に動かすことができますし、ロールも少ないので快適です。高い技術力があれば、かなり速い良いクルマを作れるんですよ」

「レーシングカーかと聞かれれば、もちろん違います。スーパースポーツカーでもありません。ですが、もともとスーパースポーツカーを作りたかったわけではありません。なぜなら、現時点で最も成長が早く、最も大きなセグメントはSUVだからです」 

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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