世界一のジャンクヤード? 米アイダホ州の廃車売り場で宝探し 前編
公開 : 2022.10.09 06:05
米アイダホ州ウェンデルに、1920~1990年代に製造されたクルマ(廃車)が山のように集められています。すべて部品取りやレストア用として販売されており、旧車マニア垂涎のジャンクヤードとなっています。
もくじ
ークラシックカー・マニア垂涎の場所
ー航空写真
ーキャデラックの霊柩車(1954年)
ーフォード・アングリア100E(1953年)
ーキャデラック・クーペ・ドゥ・ビル(1977)
ーオールズモビル・カスタムクルーザー(1981年)
ーAMCペーサー(1979年)
ーキャデラック・カテラ
ーAMCイーグル(1980年)
ーリンカーン・コンチネンタルMKIII(1971年)
ーデソト・ファイアフライト・スポーツマン(1957年)
ージープSJ(1974年)
ーランブラー・ステーションワゴン(1962年)
ーオペルGT(1968年)
ープリムス・ゴールドダスター
ーフォード・コルティナ
ーデソト・カスタム(1948年)
ーシボレー・コルベア(1960年)
ーオールズモビル・ヴィスタクルーザー(1968年)
ーマーキュリー・パークレーン(1964年)
ービュイック・リヴィエラ(1972年)
ーフレイザー・スタンダード(1948年)
クラシックカー・マニア垂涎の場所
米アイダホ州ウェンデルにあるL&Lクラシック・オート(L&L Classic Auto)は、間違いなく世界有数のジャンクヤードであり、米国最大のビンテージカー専門店の1つでもある。
1968年に設立されたこのヤードには、120エーカー(約4万8000平方メートル)の広大な敷地に、1920年代から1990年代までの8000台を超える部品取り車が置かれている。また、レストア用のプロジェクトカーも400台販売されており、スペアパーツでいっぱいになった倉庫も数か所ある。
今回はこのジャンクヤードの中から、筆者の印象に残った逸品を紹介したい。
航空写真
編集部はL&Lクラシック・オートを一通り探索するのに数時間を費やしたが、この航空写真からわかるように、すべて周るには数日必要かかるだろう。また、クルマは岩場や低木の陰に隠れていることもあり、どんな逸品があるかわからない。
キャデラックの霊柩車(1954年)
このヤードでは、頑丈な作りの1954年式キャデラックの霊柩車を5500ドル(約80万円)で売りに出している。コーチビルダーのS&Sが製造したもので、駆動系が欠落しているが、希少性を考えると悪くない価格かもしれない。
1954年、救急車や霊柩車、花屋の移動販売車に改造するためにS&Sに販売されたキャデラックはわずか1611台だった。この個体は当初、サンフランシスコの顧客向けに作られたものだ。
フォード・アングリア100E(1953年)
この英国製フォード・アングリア100Eは、誰かが缶切りでも使ってルーフを持っていったかのような姿をしている。ドアの形状をみてほしい。この不可解な「怪物」を作った人は、ナッシュ・メトロポリタンのスタイリングを再現しようとしたのだろうと思われる。
アングリア100Eは、1953年から1959年にかけて10万台以上製造された。
キャデラック・クーペ・ドゥ・ビル(1977)
アイダホ州ウェンデルの年間降雨量は、全国平均38インチ(965mm)であるのに対し、わずか10インチ(25mm)しかない。そのため、L&Lクラシック・オートはクラシックカーの保存に強いのだ。
とはいえ、この1977年式キャデラック・クーペ・ドゥ・ビルが最後に走った日は、ワイパーの位置からして雨だったのだろう。「次世代のラグジュアリーカー」と謳われたクーペ・ドゥ・ビルは、先代よりも小型・軽量化されたモデルだ。