ドライバーをシビれさせる 新型BMW M2クーペ 直6ツインターボにMT設定も

公開 : 2022.10.12 20:05

BMW Mは、2シリーズの頂点に君臨する高性能モデル「M2クーペ」を公開しました。3.0L直6ツインターボから最高出力460psを発生させ、アグレッシブなデザインにより標準車とは一線を画しています。

M部門のエントリーモデル 高性能2ドア・クーペ

BMWは、第2世代となる新型M2クーペを発表した。先代よりも出力、性能、快適性が大きく向上し、M部門の内燃機関時代を締めくくるモデルである。

今年、創立50周年を迎えるBMW Mは、M4 CSLやM3ツーリング、耐久レーサーのMハイブリッドV8、M8、そして初のPHEVであり史上2番目のM専用モデルであるXMを発表するなど、一段と忙しい1年を送っている。

BMW M2クーペ
BMW M2クーペ    BMW

今回発表されたM2クーペは、M3やM4の下に位置するコンパクトな2ドア車で、M部門のエントリーモデルであり、ポルシェ718ケイマンやアルピーヌA110などに直接対抗する存在となる。

BMWは、M2クーペをかつての2002ターボの精神的後継モデルと説明する。また、2020年に生産を終了した先代モデルは、世界販売台数6万台を記録したベストセラー車であるとしている。

2代目となる新型は、標準的な2シリーズ・クーペと共にメキシコで製造されるが、その中身は大きくかけ離れている。サーキットで鍛えられたドライブトレインのシャシーハードウェアのほとんどは、上位の高性能セダンから移植されている。

英国向けのM2クーペは、来年5月に発売予定で、今のところ1種類のエンジンとATまたはMTが用意される。価格は6万1495ポンド(約1000万円)から。

現状、2シリーズにおいては最も強力なモデルとなっているが、将来的にもっとハードコアなモデル(おそらく限定生産)が加わる可能性もある。

最近、アグレッシブなパーツで武装した新型のプロトタイプが目撃されており、サーキット走行に焦点を当てた「M2 CSL」が開発中と予想される。M部門の幹部も、明言こそ避けたが否定はしていない。

MTの設定も ピュアなドライビング体験を追求

M2クーペに搭載されるパワートレインは、M3やM4と同じB58型3.0L直6エンジンで、ツインターボにより最高出力460ps、最大トルク56kg-mを発揮。0-100km/h加速4.1秒(AT車)、最高速度250km/hと、M4とほぼ同等の性能を誇る。

BMW Mのフランク・ファン・ミールCEOは、M2のスタイリングについて、M4よりも「外向的で大胆」なデザインであり、スピード感を強調しながらダイナミックな華やかさを重視していると語る。

BMW M2クーペ
BMW M2クーペ    BMW

ファン・ミールCEOは、「こんなクルマは他にはありません」と自信を見せつつも、先代M2の方が「もう少し遊び心があった」とも認めている。新型はリアの緩みが少なく、結果的にサーキットを速く走れるようになったという。

しかし、ロード、スポーツ、トラックの3つの走行モードではそれぞれ走行特性が劇的に変化するよう設計されているため、「セッティングを変えれば、目を見張るような走りができます」とのこと。

とはいえ、四輪駆動という選択肢はまだ存在しない。これは、Mモデルの原点である「ピュア」かつ「トラディショナル」な体験を提供することにこだわったからだ。

この方針に沿って、M2クーペにはMTも用意されている。ファン・ミールCEOは、M2クーペにMTを設定するために、BMW社内で「激しい議論」をしなければならなかったと述べている。

なぜなら、最新のステップトロニック・オートマチックと比較すると性能が劣ってしまい、合理的には「もはや意味がない」からである。MT車では0-100km/h加速のタイムが0.2秒伸びるが、それでもMには「マシンと一体化したい、機械的に直接つながっていたい」という顧客がまだ多い。そのため、ATは必ずしも魅力的な選択肢とはならないのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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