ボルボXC90の上位互換? ポールスター 新型EV「3」発表 0-100km/h加速は4秒台

公開 : 2022.10.13 19:25

ボルボ傘下のEVブランド、ポールスターが新型電動SUV「3」を発表。空力を重視した車体にデュアルモーターを搭載し、最高出力517psを発揮します。欧州では受注が始まっています。

ポールスター初の大型電動SUV

ボルボ傘下のポールスターは、ブランド初の電動SUV「3」を欧州で発表した。高出力のデュアルモーター、先進的な安全機能の数々、持続可能な素材などを備えている。

先進的な新プラットフォームSPA2をベースに、近日発表予定のボルボEX90と兄弟車となっており、技術やシステムの多くを共有している。しかし、ポールスター1、2がボルボのコンセプトカーをベースにしていたのに対し、3は構想段階からポールスターとして設計された最初のモデルである。

ポールスター3
ポールスター3    AUTOCAR

大型SUVでありながら、エアロダイナミクスを重視した流麗なデザインとなっている。デュアルブレードのヘッドライト、リアスポイラー、フロントエアロウィングなど機能的なデザインを持ち、各種センサーを内蔵した「スマートゾーン」パネルが搭載されている。ポールスターのトーマス・インゲンラートCEOは、こうした要素がブランドの「決定的な特徴」になると語っている。

デュアルモーターを搭載し、標準仕様で最高出力490ps、最大トルク85kg-mを発揮。2584kgの車体を静止状態から5.0秒で100km/hに加速させ、最高速度は210km/hに達する。

オプションのパフォーマンス・パックを装着すると、最高出力517ps、最大トルク92kg-mにパワーアップし、0-100km/h加速を0.3秒短縮することができる。

さらに、大型SUVでありながら「ポールスターの特徴であるパフォーマンスと精度」を実現するために、2ミリ秒ごとに調整可能な電子制御のデュアルチャンバー・アダプティブエアサスペンションが採用されている。フロントには400mmのブレンボ製4ピストン・ブレーキが装備される。

リアにはトルクベクタリング機能が備わり、リアモーターを自動的に切り離すことで、特定の状況下ではフロントモーターのみで走行し、消費エネルギーを節約できる。また、ワンペダルドライブ機能も搭載されている。

電力はプリズムセル設計を採用した111kWhのリチウムイオンバッテリーに蓄えられる。航続距離は最大610kmで、充電速度は250kWまで対応。双方向充電のV2Gが可能で、ヒートポンプを標準装備する。

最新の安全技術を搭載

インフォテインメント・システムや安全技術が最新のものが採用された。Nvidia Driveの新しいコアコンピュータを導入し、「AI頭脳」として多数の車載センサーから得られるデータを処理する。5つのレーダーモジュール、5つの外部カメラ、12の超音波センサーがあり、ボルボの安全ソフトウェアが使用されている。

欧州では、オプションのLiDAR付きパイロット・パックも来年から設定される予定。Nvidiaのコントロールユニット、3つのカメラ、4つの超音波センサーが追加され、クルマの周囲の3Dスキャンを強化して、より正確なリアルタイムデータを得られるようになるという。

ポールスター3
ポールスター3    ポールスター

また、センサーは車外をモニターするだけではない。ポールスターは、車内レーダー技術によってミリ単位の動きを検知して、子供やペットの車内放置を警告し、空調と連動することで熱中症や低体温症を予防できるとしている。

また、2つのクローズドループ・ドライバーモニターカメラは、ドライバーの注意散漫や居眠りを検知すると音声で警告を発し、自動的にクルマを停止させることも可能だという。

ポールスターによると、インテリアの素材は持続可能性に基づいて選択され、動物福祉認定を受けたレザーやサプライチェーンを完全に追跡可能なウールなどが使われているとのこと。

開発を始める際には、製造と使用でどれだけのCO2が発生するかを示すライフサイクル・アセスメントを作成し、その削減方法を検討したとポールスターは述べている。

14.5インチのセンタータッチスクリーンには、グーグルと共同開発したアンドロイドベースのOSが搭載され、無線アップデートに対応している。

全車、21インチアルミホイール、パノラミックガラスルーフ、LEDライト、リトラクタブルドアハンドルが標準装備される。

欧州では受注が開始されており、価格は7万9900ポンド(約1300万円)から。納車は2023年後半に開始される予定だ。製造は、ポールスターとしては初めて中国・成都のボルボ工場で行われる。2024年からは、米国サウスカロライナ州でも製造を開始する予定。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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