欧州安全テストで最高評価 マツダCX-60、メルセデスEQEなどに5つ星

公開 : 2022.10.14 19:25

欧州で自動車安全テストを実施するユーロNCAPは、マツダCX-60、BYDアット3、メルセデスEQEなどに最高評価の5つ星をつけました。基本的な性能だけでなく、運転支援システムも高く評価されています。

最新の電動モデルに高評価続々

欧州で自動車安全テストを実施するユーロNCAPは、メルセデス・ベンツEQEBYDアット3マツダCX-60など、最新モデル8車種の安全性評価を発表した。

その中で、メルセデス・ベンツの最新EVセダンであるEQEは最高得点の5つ星を獲得し、特に運転支援システムが高く評価された。EQEに搭載されるアクティブ・エマージェンシー・ストップ・アシスト機能は、ドライバーが正常に運転できていない状態を検知すると、車両を緩やかに減速させて停止させるものだ。

ユーロNCAPで前面衝突テストを受けたメルセデス・ベンツEQE
ユーロNCAPで前面衝突テストを受けたメルセデス・ベンツEQE    ユーロNCAP

ユーロNCAPはこの機能を「非常に良い」と評価し、同カテゴリーで最高得点を与えた。EQEの全体的な評価としては、「オールラウンドに優れた性能」を持つとしている。

ユーロNCAP事務局長のミヒャエル・ヴァン・ラティンゲン氏は、「完全な自動運転はまだ先の話ですが、その基礎はこのような堅牢で高性能な運転支援システムによって築かれつつあります」と述べた。

また、中国のEVメーカーであるBYDの電動クロスオーバー、アット3も総合評価で5つ星を獲得した。アット3は日本でも2023年初頭に発売予定である。

フォルクスワーゲン・ゴルフは、ボディの改良やセンターエアバッグ、ラッププリテンショナー、ジャンクションアシスト、疲労検出システムなどが評価に貢献し、5つ星を獲得。ラティンゲン事務局長は、フォルクスワーゲンの安全性に対する取り組みについて、次のように述べている。

「内燃機関車はまもなく電動モデルに切り替えられようとしています。ほとんどの自動車メーカーは乗り越えようとしていますが、競争力維持のために安全性が削られることもあるかもしれません」

「そんな中、フォルクスワーゲンがゴルフの安全性を継続的に向上させ、競合他社に遅れを取らないようにしているのは素晴らしいことです」

マツダCX-60 PHEVも5つ星評価を獲得した1台である。今回のテストでは成人乗員保護で88%、子供乗員保護で91%、交通弱者保護性能で89%と全体的に高い評価を得ている。安全支援システムについては76%とされている。

その他、BMW 2シリーズ・アクティブツアラー、BMW X1セアト・イビサ、セアト・アローナが5つ星を獲得した。

シトロエンC5 Xとモビライズ・リモの2台は4つ星を獲得した。ユーロNCAPは「一般的で堅実な性能」と評したが、「アクティブセーフティテストでは、機能の省略などにより目立つものではなかった」と指摘している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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