新型ジープ・グランドチェロキー・リミテッド試乗 5人乗りショート版は「L」と対照的?

公開 : 2022.10.24 16:00  更新 : 2022.10.24 16:06

ロングボディから遅れること約半年。日本デビューしたグランドチェロキー5人乗り標準ボディに試乗しました。

ショート版が出た スペックは対照的?

昨年フルモデルチェンジがアナウンスされ、今年2月から日本市場における発売が開始されたグランドチェロキー

導入当初の仕様は3列シートを持ったロングボディと3.6Lの自然吸気V6エンジンの組み合わせが基本となっていた。

グランドチェロキーLから遅れること約半年。5人乗り標準ボディが登場した。
グランドチェロキーLから遅れること約半年。5人乗り標準ボディが登場した。    神村聖

それから約半年が経った今、グランドチェロキーのラインナップが拡充されることになった。

今回の仕様は前回とは対照的ともいえるもの。スタンダードホイールベース、2列シートのボディに、272psを発揮する2L直列4気筒ターボ・エンジンが搭載されているのだ。

また今回の試乗会では実車を見ることが出来なかったのだが、同じ直4ターボのパワーユニットにプラグインハイブリッドを組み合わせた4xe仕様も用意されている。

ガソリンの2Lモデルに関しては塗装やサンルーフといった装備の違いこそあれ、基本的にはリミテッドの1グレードのみ。

一方PHEVの4xeはリミテッドと最上級のサミット・リザ-ブから選べるようになっている。

これまでのグランドチェロキーL(ロング)と今回デビューしたスタンダードのホイールベース長は125mm差となる。全長はLの5200mmに対しスタンダードは4900mmと300mmの違いがある。

つまり両車はホイールベースだけでなくリアオーバーハングの寸法も異なっているのである。

パッと見、コンパクトな感じは皆無だが、エンジンをはじめ全体のバランスは気になるところ。さっそく実車に触れてみよう。

高級感は健在 違いは心臓にあり

今回われわれが試乗したグランドチェロキー・リミテッドは内外装とも黒(外装はダイアモンドブラック)という渋め仕様だった。

ベースモデルという位置づけなので価格は892万円だが、ジープのラグジュアリー分野のフラッグシップであることに変わりはない。

ジープ・グランドチェロキー・リミテッド
ジープ・グランドチェロキー・リミテッド    神村聖

運転席からの眺めも車格どおりの立派な設えだ。

シートレイアウトを除けば、室内の見た目は既存のLリミテッドと同様。

ダッシュ中央の10.25インチのタッチスクリーンから光沢のあるブラックパネルを使用したセンターコンソールへのつながりにも高級感があるし、全体が黒くまとめられた今回の個体でもマットなメッキの縁取りがほどよく高級感を演出している。

リアシートの足元スペースもマイナス125mmというホイールベース長を感じさせない余裕たっぷりの作りになっている。

遮音が優れたボディのおかげでアイドリングをさせているだけでは4気筒ターボであることを見抜くのは難しい。

だが走りはじめればその特徴的なパワー特性によってすぐにそれとわかる。ターボラグによる一瞬の躊躇のあと、ビュンッと加速する。

じわりとトルクが溢れ出す3.6L自然吸気V6対活発な2L直4ターボという図式はラングラー・アンリミテッドでもみられる組み合わせ。

ラングラーの場合でもオンロードメインでロングドライブに興じるような場合は4気筒ターボの方が断然気持ちがいい。

その図式は4気筒のラングラーより100kg弱車重が重いグランドチェロキーでも健在だった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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