初代と2代目を比較 マツダCX-5(2) 長期テスト 同クラスのSUVで最も美しい1台

公開 : 2022.10.29 09:45

ドライビング・ファンなファミリーSUVといえる、CX-5。日本のマツダらしさが表れたモデルの仕上がりを、長期テストで確かめます。

積算2644km 燃費が伸び悩む2.5L NA

見た目が似ている中型SUVで、2人の子供を快適に移動させられるとしても、そのプロセスはモデルによって異る。プラグイン・ハイブリッド(PHEV)のキア・スポーテージは、最長69kmも駆動用モーターだけで走行できる。

一方、2.5Lの自然吸気エンジンが載っているマツダCX-5の場合、燃費は良くても10.5km/Lほど。走行距離が伸びてメカニズムがこなれてくると、改善するだろうか。筆者の右足を、おしとやかに動かすべきかもしれない。

キア・スポーテージ PHEV(右)と、2代目マツダCX-5 2.5 GTスポーツ・オート AWD(左)
キア・スポーテージ PHEV(右)と、2代目マツダCX-5 2.5 GTスポーツ・オート AWD(左)

積算3558km 初代と2代目を比較

ロックシンガーのデビッド・ボウイは、ファイブ・イヤーズという曲で短時間に変化する世界を歌った。5年間は、長くもあり短くもある。活かすか殺すかは、使い方次第といえる。

さて今回は、2台のマツダCX-5を比較してみることにした。片方は、フェイスリフト後の初代。5年前のCX-5だ。もう一方は、長期テスト車として乗っているフェイスリフト後の2代目。雰囲気は似ているが、世代間の違いは小さくない。

マツダCX-5 2.5 GTスポーツ・オート AWD(英国仕様)
マツダCX-5 2.5 GTスポーツ・オート AWD(英国仕様)

初代は、マツダが掲げる魂動デザインとスカイアクティブが量産車へ落とし込まれた、初期の段階のモデルに当たる。スタイリングのまとまりは、今見ても素晴らしい。筆者の目には、全体的には2代目より好印象にすら映る。

フロントノーズは、初代の方が少し野暮ったくも見える。2代目はヘッドライトの造形がシャープになり、フロントグリルのクロームメッキが顔立ちを引き締めている。

同クラスのSUVで最も美しいモデルの1台

リアまわりのスタイリングには、あまり大きな違いは感じられない。それでも、テールゲートのキャラクターライン構成やテールライトのカタチは、2代目の方が間違いなくモダン。フロント側と同様に、ディティールの処理が効いている。

CX-5はこのクラスのSUVでは最も美しいモデルの1台だと、筆者は思っている。アグレッシブすぎず、シンプルでクリーンなデザインに仕上げられ、不足ない存在感もある。

初代マツダCX-5(右)と、2代目マツダCX-5 2.5 GTスポーツ・オート AWD(左)
初代マツダCX-5(右)と、2代目マツダCX-5 2.5 GTスポーツ・オート AWD(左)

ドアを開いてインテリアを観察すると、世代間の違いはより大きい。どちらにも、ダッシュボード上には充分な大きさのモニターが据えられ、ダイヤル式のコントローラーと、実際に押せる物理スイッチが与えられている。それでも、2代目は確実に新しい。

ツインモニターの巨大なパネルが全面を占めているわけではないものの、モニターは数インチ大きく、映し出されるグラフィックは鮮明。内装の素材感なども含めて、遥かに印象は良い。

2代目のインテリアで特に評価したい点が、ダイヤル式コントローラーと物理ボタンで、初代に通じる使いやすさが維持されていること。タッチモニターへ集約されるトレンドにあって、マツダの判断は賢明だったと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト マツダ CX-5の前後関係

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