セダン売れ行き低迷? ボルボS60 英国から一時撤退、再導入の目処は

公開 : 2022.10.30 06:05

ボルボは、英国向けのラインナップから中型セダンのS60を除外しました。一時的な措置とされていますが、再導入やEVモデルの計画などは明らかにされていません。

中型セダン廃止へ 電動化計画は?

ボルボの英国部門は、ミドルクラスセダンのS60を英国向けのラインナップから廃止した。

S60は、マイルドハイブリッド車とプラグインハイブリッド車が用意され、価格は4万4005ポンド(約750万円)からとなっていた。

ボルボS60
ボルボS60

2030年までに完全な電動化を目指すボルボは、今回の決定の理由として、ラインナップの再評価を挙げている。現在、XC40リチャージや次世代モデル「EX90」など、電動SUVに力を入れているボルボだが、セダンの電動化計画については不透明だ。

ただし、プラットフォームとパワートレインを共有するステーションワゴンのV60は、上級モデルのS90やV90と並んで、販売が続けられている。

ボルボの広報担当者はS60について、次のように語っている。

「今後のモデル計画については、まだ決定していません。最新情報があれば、適宜お知らせします」

「当社は継続的に製品ポートフォリオを再評価しており、このプロセスの一環として、英国での販売からS60を一時的に外しています」

もう1つの理由として考えられるのは、S60の売れ行きだ。調査会社ジェイトー・ダイナミクスが発表した数字(S60とV60をまとめたもの)によると、英国市場における新車登録台数は今年に入ってから2021年比で51%減(1万6797台)と、ボルボのラインナップの中で最大の落ち込みを記録していることがわかる。

この落ち込みは、V60が引き続き販売されていることから、S60に主な要因があると推測される。

記事に関わった人々

  • AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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