20周年を祝う特別チューン フォルクスワーゲン・ゴルフ R 20イヤーズへ試乗 332psを獲得 前編
公開 : 2022.11.09 08:25
VWの四輪駆動ホットハッチ、ゴルフ Rの誕生から20年。それを祝う最高の特別仕様を、英国編集部が評価しました。
ゴルフ Rを磨き込んだ20周年の特別仕様
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIを超えるホットハッチを目指し、高性能部門のRパフォーマンスの手で産み落とされたゴルフ R。AUTOCARの読者にも、その成果を称えている人は少なくはいなず。その誕生から、2022年で20周年を迎えるそうだ。
現行の8代目ゴルフにも設定されたRは、このカテゴリーでは最高傑作の1台に数えられる。万能といえる本来の実用性はそのままに、突出した動力性能や操縦性が組み合わされている。
オプションのパフォーマンス・パッケージを組み合わせれば、ドライブモード・メニューが追加され、更にその実力を高めることも可能だ。それなりにお値段は張るけれど。
このモデルの節目として、フォルクスワーゲンはゴルフ Rを更に磨き込んだ特別仕様を用意した。今回試乗した、ゴルフ R 20イヤーズだ。英国では既に、通常のゴルフ Rの5400ポンド(約90万円)増しで販売がスタートしている。
2.0L 4気筒ガソリンターボ・エンジンは13psパワーアップされ、四輪駆動のシャシーにも一連のチューニングが施されている。アニバーサリー・スペシャルとして、ドライビング体験の興奮度を高めるために。過去最もパワフルな、量産版ゴルフでもある。
ただしルックスでは、すぐに見分けられるほどの変化は得ていない。通常のゴルフ Rと同様に、控えめに能力の違いを主張している程度といえる。
ブランド初のカーボン・トリムを獲得
R 20イヤーズの場合は、ブルーの「R」エンブレムと、Bピラーの専用ロゴでボディが飾られる。ボディカラーには、ラピス・ブルーメタリック、ピュア・ホワイト、ディープブラック・パールエフェクトという3種類の専用塗装が選べる。
車高は、通常のゴルフ Rと同様に若干落とされている。ホイールは19インチで、低く構えたアグレッシブなスタンスだ。フロントドア側の路面に「20R」とロゴを投影するLEDライトで、夜間のドライブを盛り上げてくれる。
インテリアでは、意外にもフォルクスワーゲンとしては初めてとなる、カーボンファイバー・トリムを獲得。スポーツシートはアルカンターラ仕立てで、Rのロゴが施される。それ以外は、2019年に登場した8代目ゴルフの空間と目立った違いはないようだ。
運転姿勢など、基本的な人間工学には優れている。だが実際に押せるハードスイッチがダッシュボードには殆どなく、簡単な操作でもタッチモニターやタッチセンサーへ触れることになり、不必要に手間取ることも少なくない。
タッチモニターの周辺やセンターコンソールには、グロスブラックの樹脂パネルが多く、触れると指紋が残ってしまう。知覚品質を高めているとはいいにくい。
スポーツシートへ腰掛けると、下部がフラットになったマルチファンクション・ステアリングホイールと対面する。レース・モードを1発で呼び出せる、Rボタンが与えられたゴルフ Rの専用品だ。