メルセデス・ベンツEQS SUV 欧州発売 2000万円超の高級EV、ついに路上へ

公開 : 2022.11.05 18:05

メルセデス・ベンツは、新型EQS SUVの販売を欧州で開始しました。英国価格はおよそ2000万円から。低重心で空力に優れたフォルムと強力なパワートレインを採用し、EQシリーズのトップに君臨します。

EQシリーズ最大の旗艦SUV

メルセデス・ベンツの新型EV「EQS SUV」が欧州で発売された。英国向けの価格は12万9170ポンド(約2140万円)からとなっている。

フラッグシップモデルとしてアウディeトロンBMW iXのライバルとなる電動SUVで、セダンのEQSとはプラットフォームを共有している。

英国向けには2種類の四輪駆動モデルが導入された。
英国向けには2種類の四輪駆動モデルが導入された。    メルセデス・ベンツ

英国仕様は四輪駆動のみが用意され、エントリーモデルのEQS 450 4マチックSUVは最高出力360psと最大トルク58kg-m、上位モデルのEQS 580 4マチックSUVは最高出力543psと最大トルク87kg-mを発生させる。

両モデルとも、同じ108.4kWhのバッテリーを搭載し、WLTCサイクルで最大586kmの航続距離を実現するという。最大200kWのDC急速充電に対応し、10~80%を31分で充電することができる。また、他の市場では航続距離600km以上のシングルモーター/後輪駆動モデルも販売される。

スポーツ志向の「AMG ライン・プレミアム・プラス」では、ブラックのナッパレザー、アンスラサイトのウッドトリム、3ディスプレイ統合のハイパースクリーン、最新世代のMBUX、ワイヤレスのスマートフォン充電、ヘッドアップディスプレイなどが標準装備となる。

プレミアム志向の「ビジネスクラス」では、マキアートベージュのナッパレザー、シップデッキウッド、リアのエンターテインメント、先進の拡張型ヘッドアップディスプレイ、コンフォート・パッケージが装備される。

フルスクリーンのダッシュボードも

足回りとしては、エアマチック・エアサスペンションと可変ダンピングコントロールを備えたフロント4リンク、リアマルチリンクを標準装備。走行中、80km/hまでは車高を最大25mm上げることができ、110km/h以上では「コンフォート」モードで10mm、「スポーツ」モードで15mm自動的に下がり、空気抵抗を減らして電費効率を高める。

4WSシステムにより最大4.5度の後輪操舵が可能だが、オプションで10度まで拡大することができる。この場合、回転直径は11.9mから11.0mとなり、小型ハッチバック並の取り回しを実現する。

3枚のディスプレイを統合した「ハイパースクリーン」がダッシュボードを彩る。
3枚のディスプレイを統合した「ハイパースクリーン」がダッシュボードを彩る。    メルセデス・ベンツ

主な走行モードは「エコ」、「コンフォート」、「スポーツ」、「オフロード」の4種類で、オフロードは電子スタビリティコントロールのON/OFFが選択できる。

オフロードモードでは、トラクションコントロールシステム、アンチロックブレーキ、ダウンヒル・スピードレギュレーションと、スロットルのマッピングが調整される。メルセデスは、「軽いオフロードに挑戦できる」と述べている。

エネルギー回生には、D+(惰性走行)、D(標準的な回生)、D-(回生重視)の3つのレベルが用意される。また、走行状況に応じて自動的に回生量を変化させるD-Autoと呼ばれる設定も選択可能だ。

インテリアは、ダッシュボードデザインに注力している。12.3インチのデジタルメーターと12.8インチのインフォテインメント・ディスプレイが搭載されるが、上位モデルでは8コアプロセッサと24ギガバイトのRAMを内蔵した「ハイパースクリーン」が標準装備となる。

幅1410mmにおよぶハイパースクリーンは、12.3インチのメータースクリーン、17.7インチのインフォテインメント・スクリーン、12.3インチの助手席用スクリーンを一体化したものだ。

「ヘイ、メルセデス!」の音声コントロールに対応するほか、無線によるソフトウェアアップデートも可能。また、オプションでARナビ対応のヘッドアップディスプレイも用意されている。

3列目シート(オプション)を装着すると足元と膝のスペースは狭くなるが、最大7人乗りが可能となる。ラゲッジスペースは195L(最大800L)を確保している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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