最高の普段使いスポーツカー ポルシェ・ケイマン(981型/2代目) 英国版中古車ガイド

公開 : 2022.11.15 08:25

911以上に普段使いできる最高のスポーツカーだと英国編集部が評価するケイマン。2代目981型の中古車をご紹介します。

普段使いできる最高のスポーツカー

現代のポルシェが生み出す、最高の普段使いスポーツカーはケイマンだと思う。賛否あることは理解している。それでも、小さなボディに不足ない魅力が詰まっていることは間違いない。

ケイマンは、リアエンジン・スポーツカーを連綿と作り続けてきたスポーツカー・メーカーによる、毎日乗ることを前提とした秀作だ。911と同様に世界クラスの技術が投じられ、細部までこだわり抜かれている。

ポルシェ・ケイマン(981型/2012〜2016年/英国仕様)
ポルシェ・ケイマン(981型/2012〜2016年/英国仕様)

ミドシップ・レイアウトで動的能力に優れるだけでなく、軽くコンパクトで操縦性も抜群。よりお手頃な価格設定は、われわれの味方でもある。なかでも2代目となる981型のケイマンは、現時点では最高の価格価値にある。

初代、987型のケイマンは2012年に登場。それを更に磨き込んだ2代目は、2012年に発売された。ポルシェ・ボクスターのクーペ版という、基本的なポジショニングは当初から変わらない。

シャシー中央に搭載されるエンジンは、ベースグレードの英国仕様で274psと29.5kg-mを発揮する自然吸気の2.7L水平対向6気筒。控えめな数字といえるが、落ち着きのある足まわりと相まって、腕利きのドライバーへ不足ない充足感を与えた。

トランスミッションは、7速デュアルクラッチATのPDKか6速MTが選べた。PDKなら電光石火の超高速な変速で、ケイマンの動力性能を手軽に引き出せる。一方のMTなら、適度な重み付けのペダルを操りアナログな体験を堪能できる。

パワーステアリングは電動機械式。それでも、ステアリングフィールは素晴らしい。

走りを磨いたSにGTS、GT4も登場 

ポルシェだから、オプションもふんだん。アダプティブダンパーが組まれるPASMは優れた乗り心地をもたらし、トルクベクタリング機能のPTVも実装できた。スポーツクロノ・パッケージを選ぶと、スロットルマッピングとシフトマナーが1段シャープになった。

当時のポルシェ911 カレラに積まれていた、3.4L 水平対向6気筒エンジンを積むケイマン Sも当初から用意された。こちらは325psと37.6kg-mを発揮し、一層意欲的な走りに興じれる。

ポルシェ・ケイマン(981型/2012〜2016年/英国仕様)
ポルシェ・ケイマン(981型/2012〜2016年/英国仕様)

魅力的なオプションが標準で一式装備されていたのが、ケイマン GTS。スポーツクロノとPASM、20mm車高の落ちるスポーツサスペンションが組まれ、見た目もわずかに差別化されていた。

さらに3.4Lエンジンは、英国仕様で339psと38.6kg-mまで増強。シリアスさを求めるドライバーへ、より秀でた動力性能をもたらした。

2015年には、ポルシェのGT部門が手を加えたサーキット前提のケイマン GT4も登場。空力特性が磨き込まれ、380psと42.6kg-mを発揮する3.8L水平対向6気筒エンジンを獲得している。

リア・サスペンションは設計し直され、フロント・サスペンションはGT3から流用。3段階の調整式アンチロールバーと、ハイグリップなミシュラン・カップ2タイヤで熱い走りを受け止めた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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