ポルシェ 第3世代フォーミュラEマシン「99XエレクトリックGen3」公開

公開 : 2022.11.08 19:45

ポルシェは、フォーミュラEの2022-2023年シーズンに投入する第3世代マシンを公開しました。大幅な出力アップと回生エネルギーを備えています。

次世代のフォーミュラEマシン

ポルシェは、2023年からフォーミュラEに投入する新型車「99XエレクトリックGen3」を公開した。

第3世代のフォーミュラEマシンで、先代の99XエレクトリックGen2よりも大幅にアップグレードされている。ハンドルを握るのは、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタとパスカル・ウェーレインの2名。

ポルシェ99XエレクトリックGen3
ポルシェ99XエレクトリックGen3    ポルシェ

パワートレインはポルシェが開発したもので、Gen2の250kW(340ps)から350kW(476ps)にパワーアップし、リアの回生ブレーキも600kWと倍以上に増強されている。

フロントモーターが追加され、リアの油圧ブレーキが不要になったことがパワーアップにつながった。ポルシェによると、回生エネルギーはレースで使用されるエネルギーの40%以上を賄えるという。

パワートレインを除けば、シャシー、バッテリー、エアロダイナミクスなど、その他の部分はフォーミュラEで標準的に使用されているものだ。バッテリーは各シーズン終了後にリサイクルまたは再利用され、シャシーのカーボンファイバーは引退したGen2マシンからリサイクルされるなど、サステナビリティ(持続可能性)に重点が置かれている。

99XエレクトリックGen3は、2023年1月14日に開催されるメキシコシティE-Prixでデビューする予定。

ポルシェのフォーミュラEを率いるフロリアン・モドリンガーによると、シーズン開幕までにこのマシンの開発を「さらに前進させる自信がある」という。

モドリンガーは次のように語っている。

「ポルシェ99XエレクトリックGen3を含む新世代のGen3マシンには、レースをさらに華やかにし、世界的なフォーミュラEの人気に弾みをつけることを期待しています」

ポルシェ・モータースポーツ部長のトーマス・ラウデンバッハは、次のように述べている。

「新世代のフォーミュラEと同様に、ポルシェ99XエレクトリックGen3は、電動車レースにおける技術的なマイルストーンを象徴しています。フォーミュラEにとっても、ポルシェにとっても、ABB FIAフォーミュラE世界選手権のシーズン9からこの新型車を投入することは、モータースポーツの未来に向けた重要な一歩となるでしょう。シーズンの開幕と新しい時代を楽しみにしています」

2021-22シーズンのフォーミュラEで、ポルシェは第2戦メキシコシティでワンツーフィニッシュを果たしたものの、最終的に11チーム中7位に終わった。第2戦後、チームの勢いは衰え、メルセデスEQと元F1ドライバーのストフェル・ファンドールンがドライバーズチャンピオンとコンストラクターズチャンピオンを獲得した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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