可愛い見た目の本格オフローダー トヨタFJクルーザー 英国版中古車ガイド エンジンは4.0L V6

公開 : 2022.11.21 08:25

英国でも根強い人気を持つトヨタFJクルーザー。レトロなスタイリングの本格オフローダーを、英国編集部がご紹介します。

チャーミングな見た目に優れた悪路性能

可愛い見た目の装甲車。トヨタFJクルーザーは、そんなイメージのクルマかもしれない。行く先を選ばないほどの悪路性能を持つ大きな四輪駆動モデルが、思いがけないほどチャーミングなスタイリングをまとっている。

この愛らしい見た目は1960年代のクラシック、FJ型ランドクルーザーを彷彿とさせる。ボクシーなフォルムだけでなく、丸いヘッドライトに四角いフェンダーアーチまで、象徴的な祖先に着想を得ていることは明らかだろう。

トヨタFJクルーザー(2007年〜)
トヨタFJクルーザー(2007年〜)

受け止め方は人それぞれだとしても、個性的なモデルであることに間違いない。筆者は嫌いではない。

FJクルーザーが搭載するエンジンは、現代的な4.0L V型6気筒ガソリン。トヨタとしては大排気量といえるが、その理由は2007年から2014年まで主に北米市場で売られていたため。その後、人気の高まりとともに日本へも導入されている。

既に日本では2018年に販売が終了しているが、チリや南アフリカでなどはまだ現役で活躍中。英国には、正規導入されることはなかった。

ところが、FJクルーザーを求める声は英国でも少なくなく、個人輸入などで数十台が並行輸入されている。取引価格は高く、例によっては4万ポンド(約664万円)まで上昇することもあるという。人気の高さを裏付けている。

シャシーはランドクルーザー・プラドと共有

大排気量エンジンのおかげで、気張らずともFJクルーザーは悠々と道を進む。高めのドライビングポジションと相まって、不思議な自信も湧いてくる。燃費は7.0km/h前後だ。

サスペンションは柔らかく、ステアリングホイールは軽い。ボディは小さくないものの、思いのほか簡単にカーブの続く道をクリアできる。速度を出し過ぎなければ。

トヨタFJクルーザー(2007年〜)
トヨタFJクルーザー(2007年〜)

都市部の舗装路より得意とするのはオフロード。トルセン式センターデフと、手動で切り替えられるロックデフがリアアクスルに装備されている。最低地上高は244mmあり、短いオーバーハングでバンパーも擦りにくい。渡河水深は700mmまで対応する。

シャシーはランドクルーザー・プラドと共有しており堅牢。荒野へ不安なく連れて行ってくれる。

インテリアは質実剛健な雰囲気で、シートは水洗い可能。フロントドアの後ろに珍しい観音開きのリアドアが備わり、大人4名での乗降性も悪くない。

フロントガラスには、トラックのようにワイパーが3本並ぶのも特徴の1つ。幅が広く低いガラスの都合上、2本では足りなかったそうだ。

一般的なクロスオーバーとは異なり、本格的なオフローダーでありチャーミングなスタイリングのFJクルーザーは、ロンドンでも注目の的。珍しいから存在感は半端ない。

英国で乗りたい場合、日本から並行輸入する手があるものの、市場の中古車を探す方が手っ取り早い。今回撮影にお借りしたFJクルーザーは、英国の販売店が所有する1台。10週間の輸送時間をかけて、ファイナル・エディションを3台輸入したらしい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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