ニュル最速は「公道のF1」 新型メルセデスAMGワン 市販車記録更新

公開 : 2022.11.11 20:25

メルセデスAMGの新型ハイパーカーがドイツ・ニュルブルクリンクの市販車ラップレコードを更新。F1用エンジンに電気モーターを搭載し、最高出力1063psを発揮するAMG最強の市販車です。

F1用エンジン搭載のハイブリッドマシン

メルセデスAMGの新型ハイパーカー「ワン」は10月28日、ドイツのニュルブルクリンク・サーキットにおける市販車最速ラップを更新した。

メルセデスDTMドライバーのマロ・エンゲルが運転し、156コーナーのニュルブルクリンクで6分35秒183のタイムを記録。スーパースポーツカーのカテゴリーでも記録を更新した。

ニュルブルクリンク市販車最速記録を更新したメルセデスAMGワン
ニュルブルクリンク市販車最速記録を更新したメルセデスAMGワン    メルセデスAMG

メルセデスAMGは公道用のF1マシンと呼ばれるハイパーカーで、F1向けの1.6L V6ターボエンジンの改良型に4基の電気モーターを組み合わせ、最高出力1063psを発生させる。AMG史上、最も高性能なロードカーであり、価格は220万ポンド(約3億6000万円)からとなっている。

ニュルブルクリンクにおけるこれまでの市販車ラップレコードは、ポルシェ911 GT2 RSマンタイ・レーシングの6分43秒300であった。

メルセデスは、記録走行に使用した車両について、購入者に納車される275台と同じ「標準」仕様であるとしている。

路面のコンディションは「トリッキー」

ハンドルを握ったマロ・エンゲルは、当時の路面コンディションは理想的なものではなかったと話している。

「本当に忘れられない経験です。このコースコンディションで、このようなラップタイムが出せるとは思ってもいませんでした。一部の重要なエリアでは、まだ路面が完全に乾いておらず、トリッキーな状態でした。特別な挑戦でしたね」

ニュルブルクリンク市販車最速記録を更新したメルセデスAMGワン
ニュルブルクリンク市販車最速記録を更新したメルセデスAMGワン    メルセデスAMG

「ルイス・ハミルトンやジョージ・ラッセルの週末レースと同様に、わたしもハイブリッドドライブの電気エネルギーを可能な限りベストな形で展開しなければなりませんでした。特にこれほど長いコースでは、簡単なことではありません。でも、これがまさにF1のフィーリングなんです」

また、メルセデスAMGの会長であるフィリップ・シーメルは、「このプロジェクトに関わったすべての人、AMGチーム全員を誇りに思います。素晴らしいラップタイムをとても嬉しく思っています」と述べた。

メルセデスAMGワンは、通常の市販車部門と、F1チームおよびAMGハイパフォーマンス・パワートレイン部門とのコラボレーションによって生み出されたものである。2シーター、左ハンドルのみの設定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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