ロータス「生き返ったような気分」 待望のハイパーカー納車開始へ 代表インタビュー

公開 : 2022.11.13 18:05

AUTOCAR英国編集部は、ロータスを率いるマット・ウィンドル氏にインタビューを行いました。彼はエヴァイヤの納車準備を進める中、「生き返ったような気分」と語っています。

息を吹き返したロータス

ロータスのマネージング・ディレクターであるマット・ウィンドル氏は、AUTOCARの取材に対して「ロータスが生き返ったように感じる」と語った。数々の挫折を乗り越え、長らく待たれていた電動ハイパーカー「エヴァイヤ」の納車をようやく開始するため、着々と準備を進めているという。

ウィンドル氏は、エミーラの生産ライン、ロータスのスポーツカーに対する不変の情熱、そしていつか実現するかもしれないパートナーシップについても教えてくれた。

――2019年に初めて公開されたエヴァイヤ(ブランド初の市販EVであり、お値段3億円超のハイパーカー)は、ロータスにとって、経済的に成功したのでしょうか。

ロータスのマネージング・ディレクター、マット・ウィンドル氏
ロータスのマネージング・ディレクター、マット・ウィンドル氏

「これから成功するでしょう。最大130台作る予定ですが、売れ行きは好調。来年に向けた売上は十分です。当社には目的が2つありました。1つは収支を合わせること。莫大な利益を求めていたわけではありません。もう1つは、ロータスの象徴的なモデルとして、技術の可能性を示すだけでなく、デザイン言語も再定義することでした」

――英国ヘセルの工場は、エミーラの需要に対応できるだけの規模があるのでしょうか。

「もちろんです。確かに、部品供給の問題など、歯がゆい思いもしましたし、今でも少しは苦労しています。しかし、当社が行ったのは、生産を遅らせるということです。毎週のように目標を達成できず、意気消沈していましたが、今は質の良いクルマを出せるようになりました」

「英国での納車は来週から始まるので、ディーラーにクルマが届くのは再来週になるでしょう。望んだ時期よりも遅くなってしまいましたが、ここにいる全員が、このクルマを送り出すために多くの時間を費やしてきたことは確かです」

スポーツカーブランドのこれから

――転換期を迎えていますね。2022年だけでなく、2030年のロータスはどうなっているのでしょうか。

「2030年のロータスは、現在とはまったく違うものになっているでしょう。ですが、2022年のロータスも、2017年とは大きく異なっています」

――ブリティッシュボルト社(バッテリーサプライヤー)とのバッテリープロジェクトはいかがでしょうか。

「彼らとは覚書を交わしています。ブリティッシュボルトは、製品ができるまで長い道のりだと思います。どのように協力できるかはまだ検討中です。スポーツカー用バッテリーで興味深いのは、他のEVとは使用例が大きく異なるということです」

――スポーツカーやGTにはまだ未来があるのでしょうか。

ロータス・エヴァイヤの組立工場
ロータス・エヴァイヤの組立工場

「もちろんです。エヴァイヤは素晴らしいクルマです。(ICEが)なくなることに対する抵抗もありますが、(EVは)未来なのです。わたし達はその最前線に立ち、非常に早い段階から革新的でありたいと思っています」

――合成燃料は有望でしょうか。ICEはまだ終わったわけでは……

「まだです! これからも続いていくでしょう。ロータス・エミーラに終わりを告げるつもりはありません。ただ、様子を見るだけです。2つのクルマが一緒に走るところまでたどり着けば、そこに生命線があるかどうかわかるでしょう」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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