オフロード仕様のランボルギーニ 11月30日公開へ 新型ウラカン・ステラート

公開 : 2022.11.15 06:25

ランボルギーニは、新型ウラカン・ステラートを11月30日(現地時間)に発表します。同社によって最後の純エンジン車であり、オフロード志向のスーパーカーという珍しいモデルとなります。

オフロード志向のスーパーカー

ランボルギーニは、スーパーカーのウラカンをベースとした派生モデル「ウラカン・ステラート」を11月30日(現地時間)に公開すると発表した。米マイアミで開催のアートフェア「アート・バーゼル(Art Basel)」で披露される予定だ。

新型ウラカン・ステラートは、内燃エンジンのみを搭載したランボルギーニの最後の市販モデルとなる。以降は、ハイブリッドモデルやEV(電気自動車)を展開していく計画である。

ランボルギーニ・ウラカン・ステラート
ランボルギーニ・ウラカン・ステラート    ランボルギーニ

今年、ランボルギーニのラインナップにウラカン・テクニカとウルス・ペルフォルマンテが加わったが、次の新型車を機に、約70年にわたる同社のピュアスポーツカーに終止符が打たれることになる。

ランボルギーニのフラッグシップモデルであるアヴェンタドールの後継車は、PHEVとして2023年にデビューする予定だ。引き続き大排気量のV12エンジンを搭載し、新たにハイブリッド要素を加えることで、現在のモデルよりも大幅にパワーアップすると言われている。

その登場を前に、同社にとって最後の純エンジン車となるウラカン・ステラートが有終の美を飾る。2019年に公開されたコンセプトモデル「ステラート」をベースとするモデルで、以前にも雪の中でテストされているところが目撃されている。

発売されれば、オフロードにも対応するスーパーカーという、特異なセグメントに投入されることになる。このモデルについて以前、ランボルギーニCEOのステファン・ヴィンケルマンはAUTOCARにこう語っている。

「当社は通常のフィールドから飛び出してプレーしなければなりません。スーパースポーツカービジネスにおいて、これまで見られなかった特別なことをする素晴らしい機会を得たと思います」

カウンタックLPI 800-4のようなレトロな雰囲気のモデルよりも、このような「予想外」のクルマのほうがCEO自身にとって面白いか、との質問に対しては次のように答えた。

「もちろん。レトロなクルマもたまにはいいでしょう。カウンタックは素晴らしいものだったと思います。でも、わたし達は前を向かなければならないのです。大きなフロントガラスと小さなバックミラーが必要なのです」

「歴史を理解し、過去に何が起こったかを調べることは重要です。しかし、わたし達は革新的でなければならず、破壊的でなければならず、常に予想外でなければなりません」

今までにない特別なものを作る

2020年にランボルギーニCEOに復帰したヴィンケルマンが、歴史にインスパイアされた限定生産モデルに無関心であることは、よく知られている。昨年のカウンタック発表の際、彼はAUTOCARにこう話している。

「わたしは、レトロなクルマは絶対に作らないという考えで会社を辞めたんです。だから戻ってきたときに、『なぜ今、こんなこと(カウンタックの開発)をするのか』と言いました。でも、クルマを見て話をしたら、やってよかったと思ったんです」

ランボルギーニ・ウラカン・ステラート
ランボルギーニ・ウラカン・ステラート    ランボルギーニ

ステラート(イタリア語で「未舗装路」の意)は、ランボルギーニ・ウラカン・エボをオフロード車風に仕上げたものとして、2019年にコンセプトモデルが公開された。当時、同社の広報担当者は市販化の計画はないと述べていた。

外観としては、ウラカン・エボよりもはるかに高いグランドクリアランスを有している。ルーフにはエアインテークやルーフレールを装備。フロントバンパーはストーンガードで強化され、ボンネットにはLEDライトバーが装着されている。

2019年のステラート・コンセプトは、ウラカン・エボと同じ5.2L自然吸気V10エンジンと7速ATを搭載し、最高出力640psを発生させる四輪駆動車であった。

ステラートの市販モデルでは、ウラカンの後輪操舵システムはそのままに、低トラクションの路面でより効果的にグリップを発揮できるランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ(LDVI)システムを採用することが予想される。

アヴェンタドールJやSC20ロードスターのようなワンオフモデルになるのか、それともシアンFKP37のような限定生産モデルとなるかは、現在のところ不明である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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