NDロードスター改良、ビンテージ調の新色でどう変わる? 「ブラウン・トップ」も発売

公開 : 2022.11.17 11:33

マツダが「ロードスター」を一部改良。「ジルコンサンドメタリック」というボディカラーが新設定に。特別仕様車「ブラウン・トップ」の価格も発表されました。

マツダがロードスターを改良!

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

マツダが、ロードスター/ロードスターRFを一部改良するとともに、特別仕様車「ブラウン・トップ」を設定して、予約受付を開始した。

一部改良モデルの発売は、12月中旬の予定だ。

マツダ・ロードスターRS(新設定の外装色ジルコンサンドメタリック)。ヴィンテージライクな雰囲気を増幅し、ロードスターのスポーティさをより際立たせるカラーが登場。
マツダ・ロードスターRS(新設定の外装色ジルコンサンドメタリック)。ヴィンテージライクな雰囲気を増幅し、ロードスターのスポーティさをより際立たせるカラーが登場。    前田惠介

ロードスターは1989年に初代がデビューし(当時の車名は販売店の関係で「ユーノス・ロードスター」)、現行型はオリジナルであるソフトトップのオープンモデルが2015年に発表された4代目(ND型)。

2016年にリトラクタブル・ハードトップモデルのRFが追加されて、現在に至っている。

ロードスターは、これまで4代にわたって2人乗り小型オープンスポーツカーとしては異例の110万台以上を販売しており(同社調べ)、現行型も登場から7年が経過しているが、今もなお人気を集めている。

自販連による新車販売台数は2022年度上半期の4~9月で4350台と、前年同時期比で81.8%増を記録しているほど。

この販売台数は、モデル末期とはいえトヨタクラウンや、ハイブリッドも登場して注目を集めているホンダシビックよりも多い数値なのだ。

なぜ売れ続ける? 人気のワケ

これには、ロードスターがイヤーモデルとして毎年小改良を重ねて「最新のロードスターが最良のロードスター」であり続けていることも影響している。

それに、コロナ禍によりクルマでの移動が好まれ、また「リベンジ消費」で購入者が増えたとか、さまざまな要因があるようだ。

ジルコンサンドメタリックのロードスターRS(6MT:375万2100円)
ジルコンサンドメタリックのロードスターRS(6MT:375万2100円)    前田惠介

それでも初代の登場以来、モデルチェンジでもサイズ感を大きく変えず、走る楽しみを追求するという、“ブレないコンセプト”が多くのファンに支持されているからこその結果だろう。

そんなロードスターが改良でどう変わるのか、そしてどんな特別仕様車が登場するのか、その概要を紹介していこう。

今回の一部改良では、内外装やエンジンのパワースペックなどに変更はない。

唯一にして最大のポイントは、ボディカラーに「ジルコンサンドメタリック」を追加したことだ。

NDにジルコンサンドメタリック

このボディカラーは、すでにクロスオーバーSUVのCX-5に採用されて注目を集めている。

「ジルコン(zircon)」とは、ジルコニウムのケイ酸塩鉱物のことだ。といっても、ピンとこない人がほとんどだろう。

左がロードスターRS(ジルコンサンドメタリック)。右がロードスター・ブラウン・トップ(プラチナクォーツメタリック)。
左がロードスターRS(ジルコンサンドメタリック)。右がロードスター・ブラウン・トップ(プラチナクォーツメタリック)。    前田惠介

砂屑粒子となったジルコンサンドは、砂岩などの堆積岩に含まれている。クルマの製造においては、これを用いた砂型で、エンジンブロックなどを鋳造している。

もちろん、今回のボディカラーはこのジルコンサンドを用いたわけではなく、これをモチーフにしたメタリックカラーだ。

いわゆる最近流行のアースカラーの一種であり、少しグリーンがかったシルバーなのだが、光の当たり方や天候によって色の感じはかなり違って見える。

マツダ デザイン本部 カラー&トリムデザイングループの狩野 梓デザイナーは「メタリックの量によりボディの曲面がよく見えるような色です」と説明してくれたが、実際、ND型ロードスターの独特のラインを強調して“魅せてくれる”ようなカラーリングとなっていた。

ソウルレッドクリスタルメタリック、マシーングレープレミアムメタリックなど、独特のボディカラーを提案し続けるマツダだが、次のトレンドカラーは、このジルコンサンドメタリックなのかもしれない。

記事に関わった人々

  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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