今さら聞けない! 冬の運転で気をつけるべきこと クルマの準備・対策を万全に
公開 : 2022.11.29 06:05
秋から冬へと移り変わるこの季節、クルマの準備はしっかり整えておきたいところです。冬用タイヤの必要性や、冬の運転で注意すべきポイント、対策などをご紹介します。
もくじ
ー冬の運転 クルマの準備と対策
ー冬用タイヤって何?
ー冬用タイヤの仕組みは?
ー冬用タイヤの装着義務
ー冬用、夏用、オールシーズンタイヤの違い
ー冬用タイヤと四輪駆動車
ー冬用タイヤに関するよくある質問
ー冬のドライブに備えよう 10のポイント
冬の運転 クルマの準備と対策
雪が降る季節になると、積雪や凍結によって交通網が麻痺してしまうことがある。多くの自動車ドライバーは、いつも以上に運転に気を遣ったり、装備を整えたりして冬を乗り切ろうとするだろう。しかし、具体的にどんなことに注意したり、どんな対策をしたりすればいいのか、よくわからない人も多いはずだ。
特に、「冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)」については誤解が多いように思える。冬用タイヤが何のためにあるのか、またなぜ装着しなければならないのか、正しく理解しておきたいところだ。
そこで今回は、冬用タイヤとは何なのか、装着する必要はあるのかどうかを詳しく見ていきたい。そして、冬の運転で注意すべきこと、安全対策をあらゆる側面から紹介する。
冬用タイヤって何?
そもそも、冬用タイヤと呼ばれるタイヤは「雪」や「氷」に対応するため “だけ” に設計されているわけではない。間違ってはいないのだけれど、正確ではない。
気温が摂氏7度以下になると、たとえ路面が乾いていたとしても、夏用タイヤ(国内で販売される一般的な自動車向けのタイヤ。サマータイヤとも呼ばれる)は本来の性能を発揮できなくなる。つまり、雪が降っていなくても、気温が低いだけで滑りやすくなってしまう。冬用タイヤは、低温でもグリップ力(地面をつかむ力)を発揮し、夏用タイヤよりも安全性が高いとされている。
地域にもよるが、およそ11月末から3月の間は、夏用タイヤよりも冬用タイヤの方がグリップ力が高いことはほぼ間違いないだろう。
では、どのような仕組みなのだろうか?
冬用タイヤの仕組みは?
冬用タイヤと夏用タイヤの違いは、主に3つある。第1に、表面にたくさんの細かい溝(サイプ)が刻まれていること。この溝は、水を押しのけることで、タイヤが雪や氷をしっかりつかめるように助ける役割がある。
第2に、シリカという素材を多く含んでいるため、氷点下でも柔らかくしなやかな状態を保てるということ。夏用タイヤのゴムは、極寒の環境下では非常に硬くなってしまい、路面をつかむことができず、つるつると滑るようになる。
第3に、冬用タイヤの表面のゴムブロックは、走行中に振動するように設計されているため、付着した雪も自動的に振り落とされていく。夏用タイヤでは雪や氷がなかなか落ちずに詰まってしまい、グリップの低下につながる。
このように、冬用タイヤは「寒い環境下で使用する」ために作られている。では反対に、冬用タイヤを暑い夏場に使用するとどうなるのだろうか?
使用を禁止するような法律はないが、お勧めすることはできない。気温の高い環境では、夏用タイヤよりも早く消耗してしまうというデメリットがある。つまるところ、お財布を痛めてしまうのだ。さらに、一般的に夏用タイヤよりもグリップ力やトラクションが弱いため、安全性が低くなってしまう。冬用タイヤは、気温が上がり始めたら外して保管しておくのがベストだ。