ペルフォルマンテと同値の666ps ランボルギーニ・ウルス Sへ試乗 パワフルに底上げ

公開 : 2022.12.21 08:25

ランボルギーニのベストセラー、ウルスがマイチェン。パワフルに底上げされた基本グレードのSを、英国編集部が評価しました。

人気モデルを一層パワフルに底上げ

ランボルギーニウルス Sの試乗場所に指定されたのは、中東のカタールだった。ところが世界でもトップクラスに裕福な国だとされるこの土地の人は、強い興味を示さないという。その理由は、フェイスリフト後だとしても「S」がベース・グレードだから。

彼らが専ら関心を持つのは、1番高価なウルス・ペルフォルマンテなのだそうだ。資金に余裕があるがゆえ、ファミリーSUVを購入する場合は最高グレードを選ぶことが一般的らしい。

ランボルギーニ・ウルス S(中東仕様)
ランボルギーニ・ウルス S(中東仕様)

なんとも皮肉な話ではある。ウルス Sの英国価格は、18万8000ポンド(約3120万円)もするのだが。もっとも、SUVに好んで乗るカタール人はウルスも大好き。市場シェアを堅調に維持しているとのこと。

そんな人気モデルのウルスを一層パワフルに底上げすることは、ランボルギーニにとって恐らくメリットしかない。スーパーカー級の加速性能をさらに高めたとしても、ウラカンアヴェンタドールといったモデルの売上が減じることはないのだ。

ウルスのような高性能SUVは、スーパーカー・オーナーにとって追加で選ぶ普段使いのモデル。中東の人々を含め、極めて裕福な人の思考は筆者のものとは縁遠い。

ペルフォルマンテと同値の666psと86.5kg-m

余談となってしまったが、ウルス Sのボンネット内に搭載されるのは、4.0L V8ツインターボ・エンジンの改良版。ベントレーベンテイガからポルシェカイエンまで、フォルクスワーゲン・グループの上級SUVが搭載する、おなじみのユニットとなる。

最高出力は従来のウルスから16ps増しとなり、666psになった。最大トルクも86.5kg-mへ強化された。AUTOCARの読者ならお気づきかもしれないが、これはウルス・ペルフォルマンテと同値になる。

ランボルギーニ・ウルス S(中東仕様)
ランボルギーニ・ウルス S(中東仕様)

ウルス Sでは、フェイスリフトとしてスタイリングにも手が加えられた。フロントグリルのデザインと調和する、マットブラック仕上げのステンレス製スキッドプレートや、カーボンファイバー製のボンネットを獲得している。

エアベントのトリムもカーボン製。標準ではブラックだが、オプションでボディと同色に塗ることも可能だ。そういえば、このカーボン製ボンネットもペルフォルマンテと同じアイテムになる。

リア側もバンパーの造形が新しくなった。ブラックのディフューザー風の面積が大きくなり、マフラーカッターも一新。エグゾースト・システム自体も更新されている。

裕福な人の好みへ完璧に応えられるよう、パーソナライゼーション・プログラムの選択肢も拡張されている。アド・パーソナムと呼ばれるサービスで、選択できるボディカラーは無限といっていい。

インテリアでは、レザーに新色が用意された。ステッチのパターンも新しい。ツートーンのスポルティボ・シートか、ソフィスティケーテッド・シートを選べる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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