フォード 新型の量産EV、3月公開へ VWのMEBプラットフォーム採用か
公開 : 2022.12.19 18:25
フォードは来年3月、欧州向けの新型EVを公開する予定です。トヨタbZ4Xや日産アリアと同クラスの電動SUVになる見込みで、フォルクスワーゲンのプラットフォームを採用すると予想されています。
電動SUV、3月公開へ MEB採用か
フォードの新型EVが2023年3月に公開される予定だ。フォルクスワーゲンのMEBプラットフォームを使用した電動クロスオーバーになると予想される。
新型EVは2021年に存在が確認されて以来、ベールに包まれたままとなっているが、今回フォードはSNSに予告画像を投稿。その姿が初めて公式に確認された。
同社のEV部門である「モデルe」の責任者マーティン・サンダーは、Twitterでフロントエンドの一部を公開し、次のように述べた。「(ドイツ・)ケルンからやってくる最初のEVのカバーを外す、2023年の到来が待ち遠しい」
この発言から、新型EVはドイツ・ケルンで生産されることがわかる。投稿された画像では車体のほんの一部しか見えないが、これまでにないデザインを採用していることは明らかである。
新型EVは欧州市場を主軸としているが、米国市場では新型ブロンコと新型F-150の売れ行きが好調なことから、グローバル製品のデザインにも影響が及ぶと考えられる。
サイズとシルエットを見る限りでは、トヨタbZ4X、日産アリア、ボルボXC40リチャージなどと競合しそうだ。
レジャー志向強め? 米国らしさを強調
フォードの欧州マーケティング責任者であるピーター・ジリグは、自身のLinkedInに新型EVの暗転画像を投稿している。情報はほとんど明かされていないが、新しいデザインのLEDシグネチャーが確認できる。
ジリグは投稿で、フォードの新型車はすべて「アクティブ・アドベンチャー(冒険心)」という理念に基づいてデザインされるとし、「我々が米国人であることは知っていても、そうは感じていない消費者と感情的につながる」ことを目指していると述べた。
「アクティブ・アドベンチャーは、本物であるからこそ意味がある。我々は何か新しいことを発明しているわけではなく、120年近い間、フォードを定義してきた強みを生かそうとしている。無形だが現実のものを利用している」
具体的には、フォード・クーガなどのミドルサイズSUVとともに、「アクティブ・アドベンチャー」モデルラインとして展開する予定。
新しいモデルラインは他に3つあり、「ワイルド・パフォーマンス」はフォード・マスタング、「アーバン・エスケープ」はフォード・プーマのような主力車種、「アルティメット・アウトドア」はブロンコやレンジャー・ラプターなどのオフロード車で構成されている。
新型EVが生産される予定のケルン工場では、現在欧州向けのフィエスタの生産が行われている。フィエスタは2023年7月に生産を終了し、生産ラインに空きができる予定である。
モデルe責任者のサンダーはAUTOCARの取材に対し、フィエスタの生産終了は「やむを得なかった」と語っている。
「当社はここケルンで量産EVを製造することを決定しました。フィエスタの工場を完全にBEVの工場にするため、スペースが必要になったのです。そのため、フィエスタの生産をストップするという決断をしなければなりませんでした」
この新型EVには、フォードの歴史的な有名なモデルの名が与えられる可能性がある。また、フォルクスワーゲンID.4と同様の仕様になることが予想される。
画像 フォードから新たな電動SUV登場【兄貴分のマスタング・マッハEやVW ID.4、フィエスタを写真で見る】 全56枚