「味変」したら覚醒しちゃったクルマ 28選 新しいエンジンで本気を見せた名車たち

公開 : 2022.12.31 19:05  更新 : 2022.12.31 19:46

グルメ界隈で「味変」という言葉がありますが、クルマも一部を変えるだけで見違えたように進化することがあります。今回は、新しいエンジンを搭載することで変貌を遂げたクルマを紹介します。

エンジン変えたら本領発揮したクルマ

優れたエンジンを最初から搭載しているクルマは、誰もが知っている。ブガッティ・シロンがその代表格だろう。では、エンジンを変更したことで優れた「名車」となったクルマは?

もともとはごく普通のクルマであっても、新しいエンジンに変更されたり、大幅に改良されたりして魅力を一段と深めたものが数多くある。ここでは、そんな28台をアルファベット順に紹介する。クルマ業界の「味変」をご賞味いただこう。

グルメ界隈で言われる「味変」は、クルマにも起こりうる。今回は新しいエンジンで本領を発揮したクルマを紹介。
グルメ界隈で言われる「味変」は、クルマにも起こりうる。今回は新しいエンジンで本領を発揮したクルマを紹介。

ACエース

1953年に登場したACエースには、フォード製の2.6L直列6気筒エンジン(および、その他複数)が搭載されていた。そのハンドリングから、「公道レース」にはもってこいのクルマだったが、米テキサス州のキャロル・シェルビー(1923-2012)は、もっとパワーがあればいいと考えていた。

そして彼は、その考えを自らの手で叶えてしまう。フォード・ウィンザーV8エンジン(当初4.3L、後に4.7L)を搭載したエースの改良型「コブラ」を開発したのである。コブラはレースで威力を発揮し、7.0LのフォードFE V8を搭載した新世代のコブラは、さらにその威力を増した。

ACエース(コブラ)
ACエース(コブラ)

アルピーヌA110

オリジナルのA110(2017年に発売された現行モデルではない)は、当初ルノーの小さなクレオンフォンテ(Cleon-Fonte)エンジンを搭載していた。これが後に、ルノー16でデビューした大型のクレオンアルー(Cleon-Alu)に換装された。

ルノー16がレース車両として活躍したことはよく知られているが、そのエンジンはA110を世界的な名車に育て上げた。1973年のWRC世界ラリー選手権では、アルピーヌが6勝を挙げ、フィアットの84点、フォードの76点を抑えて147点を獲得。圧倒的な強さを見せつけた。

アルピーヌA110
アルピーヌA110

アウディA4

アウディのほとんどのモデルには、標準仕様よりはるかにパワフルなエンジンを搭載した高性能仕様、「S」や「RS」が存在する。A4はその典型例で、RS4には常に素晴らしいエンジンが搭載されてきた。

アウディR8にも搭載された4.2L V8エンジンは、おそらく最も優れたものであり、また素晴らしいサウンドを持つものであった。最高出力は400psを超え、ノーマルのA4とは比較にならないほどのパワーを発揮する。

アウディRS4アバント
アウディRS4アバント

アウディQ7

Q7は堂々たる大型SUVだが、5.9L V12ディーゼルを搭載したモデルは予想外のレベルに到達している。このエンジンは最高出力500psを発生し、車重2635kgのQ7を0-100km/h加速タイム5.5秒という驚異的な速さで押し出してしまう。

幸いなことにブレーキとサスペンションの性能は十分だが、このような加速力は爽快であると同時に、ドライバーの気分次第では憂慮すべきものでもある。しかも、このQ7 V12 TDIは決して安くはなかった。英国での新車価格は10万ポンド(約1600万円)弱で、他の仕様よりも4万ポンドほど高かったのだ。

アウディQ7 V12 TDI
アウディQ7 V12 TDI

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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