マツダRX-7の窃盗犯に「懲役5年」 前科6犯、公判で何を語った? 「反省している」で減軽のギモン
公開 : 2022.12.25 20:00 更新 : 2022.12.26 09:58
盗難されトラックの中で見つかったマツダRX-7。主犯は刑事裁判で懲役5年に。常習窃盗犯の公判の様子や被害者の思いを取材しました。
GPSで追跡! トラックの中からFD
AUTOCAR JAPANでは、これまで3回にわたって、2022年5月1日夜に埼玉県内で盗まれたFDについて報じてきた。
9月26日付の記事では2人の日本人(KM、YK)が窃盗の疑いで逮捕されたことを報じているが、このうちKMの第3回公判が12月23日におこなわれ、求刑懲役7年のところ懲役5年の判決が下された。
どんな事件だったのか? 詳しくは過去記事をお読みいただくとして、簡単に説明しておきたい。
被害に遭ったのは埼玉県に住むAさんで、2004年に購入した1999年式のマツダRX-7(以下、FD)を盗まれてしまった。
FDの盗難が増加していることで盗難防止の措置としてハンドルロック、タイヤロック、GPS装備の対策をしていたが5月1日夜、自宅から離れた場所にいたAさんはGPSからの発信で自宅駐車場に停めていたFDが移動されたことを知る。
Aさんはすぐに警察に連絡をしたが、最初に対応した所轄警察の担当者は、盗難届は受理したものの積極的に捜査をするそぶりはみせず、「見つけるのは難しいと思いますよ」と冷たく言い放ったという。
所轄署は捜査をしてくれない。頼りにならない。そう感じたAさんは、自力で探すことを決意。
旧車盗難は時間との戦いだ。短時間で解体されバラされてしまうと発見は非常に難しくなる。
そしてAさんは家族のクルマでGPSの発信履歴をたどって30時間以上、仲間たちの協力も得て捜索をおこない、ついに最後に発信があった場所を突き止めた。
茨城県境町にあるライオントレーディングという中古車販売/自動車解体会社の敷地内に停められたトラックが怪しいとにらんだ。
「あのトラックの中にあるのではないか?」警察にも相談したが「土地所有者の許可がなければ警察としても踏み込めない」という理由で朝まで待つことに。
そして翌朝、警察官や土地所有者、会社経営者など立ち合いのもと、トラックのリアゲートが開けられた。
予想どおりトラックの中からAさんのFDが姿を現した。
「所轄署は頼りない感じでしたが、埼玉県警本部の刑事さんは『絶対捕まえますからね!』という熱意ある対応をしてくださり非常に心強かったです」
そして盗難から約3か月経った8月のある日、Aさんのもとに検察庁からKMとYKの日本人2名が窃盗の疑いで逮捕されたという連絡があった。
県警本部刑事の「絶対捕まえますからね!」は見事、実現した。