クロストレックのライバル キア・エクシードへ試乗 人気は銘柄3番手 コスパ良し

公開 : 2023.01.10 08:25

ファミリー・ハッチバックをオフローダー風に仕立てたエクシード。小改良を受けた人気モデルを、英国編集部が評価しました。

スバル・クロストレックのライバル

韓国のキアは上り調子だ。新型バッテリーEVのEV6を発売し、SUVのスポテージとハッチバックのニロはモデルチェンジを果たした。今回試乗したエクシードも、フェイスリフトを受けている。

エクシードは、キアのモデルラインナップで3番目の売れ行きを英国市場では獲得している。現行型の登場は2019年だったから、リフレッシュのタイミングが来たようだ。

キア・エクシード(英国仕様)
キア・エクシード(英国仕様)

一般的なファミリーハッチバックのシードをベースに、クロスオーバー風に車高が持ち上げてある。ボディパネルはドア以外共有しておらず、しっかり差別化されている。新しいスバル・クロストレックのライバルといっていい。

スタイリングとしては、LEDヘッドライトとテールライトの造形を変更。フロントグリルとバンパーにも手が加えられ、リアにはディフューザー風のフィンが加えられた。

フェイスリフトのタイミングで、パワートレインの合理化も図られている。市場によっては1.0Lガソリンターボと1.6Lディーゼルターボも選択できるが、英国に入ってくるのは1.5Lのガソリンターボと1.6Lのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)の2種類となる。

販売台数を稼ぐと予想されるのは、160psを発揮する1.5L 4気筒ガソリンターボ。トランスミッションは6速マニュアルの他に、7速デュアルクラッチ・オートマティックも追加予定だという。

質感の良いインテリア 人間工学も良好

英国では一般的な、会社からの貸与車両で主に選ばれるのはPHEVだろう。1.6L自然吸気ガソリンに駆動用モーターが組み合わされ、システム総合での最高出力は141psがうたわれる。トランスミッションは6速デュアルクラッチ・オートマティックとなる。

8.9kWhの駆動用バッテリーを搭載し、電気の力だけで48kmの走行が可能。英国では税金額でメリットがある。

キア・エクシード(英国仕様)
キア・エクシード(英国仕様)

トリムグレードも見直され、スポーティな仕立てのGTライン Sが追加されている。こちらにはブラックアウトされたボディトリムにスポーツ・ステアリングホイール、スポーツシートなどが装備される。オプションは、ボディカラーを除いて殆どない。

インテリアは、新しいスポーテージやニロと比べると若干地味なものの、各所がソフトタッチ加工されており質感は充分。人間工学的に不満を感じるところもない。エアコンなどの操作系には、実際に押せるハードボタンが残されていて扱いやすい。

ドライビングポジションの調整幅は広く、GTライン Sのスポーツシートは座り心地も良好。長距離を運転することが多い場合、このグレードに追加料金を支払う価値はあるだろう。装備も充実している。

インフォテインメント・システムは、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに有線で対応。キア独自のシステムも良く機能する。リアシート側の空間は、このクラスのハッチバックとしては広々。テールゲートを開くと大きな荷室が現れる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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