スズキ EV用トランスミッション開発へ 航続距離の延長目指す カナダ新興企業と提携
公開 : 2023.01.10 18:25
スズキはカナダの新興企業インモーティブ社と提携し、EV用の2速トランスミッション(二段変速機)の共同開発を行うと発表しました。モーターの効率を高め、航続距離の延長を目指します。
EVの高効率化・低コスト化へ
スズキは1月10日、EV用の2速トランスミッション(二段変速機)の共同開発について、カナダの新興企業インモーティブ社(Inmotive Inc.)と同意したと発表した。高効率のモーターによる航続距離の延長や、ユニット小型化によるコスト削減、走行性能の改善などを目指す。
インモーティブ社は、2010年に設立されたカナダの新興企業で、EV用の電気駆動ユニットを手掛けている。同社が開発した2速トランスミッション「インギア(Ingear)」は、構造的にシンプルな1速トランスミッションと同等の機械的効率を維持し、市街地走行と高速走行の両方でエネルギー消費を抑える。同社によると、従来のEVよりも7~15%少ないエネルギーで走行できるという。
電気駆動ユニットの高効率化が実現すれば、少ないエネルギーで長い距離を走れるようになるため、大容量のバッテリーを搭載する必要がなくなり、軽量化とコスト削減につながる。
従来のエンジンと異なり、モーターはゼロ回転から最大トルクを発生でき、高回転も可能なため、一般的な市販EVはトランスミッション(変速機)を持たない。ポルシェ・タイカンやアウディeトロンなど一部のスポーツモデルでは、発進加速と高速域の性能を両立するために2速トランスミッションを採用している。