次期BMW 5シリーズ 2023年発売へ 電気自動車も初導入 その中身とは

公開 : 2023.01.11 19:05

8代目となる次期BMW 5シリーズは、年内にデビューする予定です。EV仕様の「i5」も導入され、電動化に向けた新しい一歩を踏み出す5シリーズ。その中身を見ていきます。

新時代の5シリーズ EV仕様も導入

7代目となる現行モデルのBMW 5シリーズは、2023年に生産を終了する。そして、その後継となるEV(電気自動車)が今年発売されることが決定している。

技術的にもスタイル的にも根本的な変化を遂げる新型「i5」は、BMWがEVメーカーへと移行していく上で重要な役割を担うだろう。今週発表された販売レポートの中で、BMWは2023年の販売台数の15%をEVにしたいと述べている。

BMW 5シリーズに、EV仕様の「i5」が登場する。(画像は予想レンダリングCG)
BMW 5シリーズに、EV仕様の「i5」が登場する。(画像は予想レンダリングCG)    AUTOCAR

BMW販売チーフのピーテル・ノタは、「EVを増やし続けることが、明確な焦点となります。2023年の次のマイルストーンは、総販売台数の15%をBEVにすることです。今年後半のBMW i5の発売により、当社はモデル・ラインナップの電動化への道をまた一歩進むことになります」と語る。

5シリーズは1973年に初代が発売され、2017年から現行の7代目が販売されている。最新モデルの8代目では、純エンジン車とPHEV(プラグインハイブリッド車)、EVが用意されている。BMWは、2030年末までにPHEVとEVを700万台販売する計画だ。

EV仕様はi5と呼ばれる見込みで、従来の5シリーズとは大きく異るスタイリングを採用する。これまでに目撃されたプロトタイプから、フロントグリルやホイール、リアエンドがi5専用デザインになると考えられている。

BMW i4と同様のラインナップになる可能性が高く、後輪駆動のエントリーモデル「i5 eドライブ40」からツインモーターの高性能モデル「M50 xドライブ」まで幅広く用意されると思われる。i4の80.7kWhバッテリーにより、WLTPサイクルでの航続距離はトップエンドで約560kmとなる見込みである。

プラットフォームとパワートレイン

BMWグループは、新型5シリーズが今年発売されるまでに、iX1やi7をはじめとする12台のEVをグローバルに投入する予定である。また、i4の兄弟車として、3シリーズのEV仕様も開発中である。

デザイン面では、現行モデルよりもシャープなフロントエンドと、よりレーシーなルーフラインが採用されている。また、1シリーズ、2シリーズ・グランクーペ、2シリーズ・アクティブツアラーを除くBMW全車種のベースとなっているCLAR(クラスター・アーキテクチャ)を採用する。

欧州で目撃された、次期BMW 5シリーズのプロトタイプ。
欧州で目撃された、次期BMW 5シリーズのプロトタイプ。    AUTOCAR

CLARは、純エンジン車、マイルドハイブリッド車、PHEV、EVとさまざまな仕様に対応しており、後輪駆動および四輪駆動レイアウトが可能とされる。電動化に向けたラインナップの多様化を支えるものだ。

BMWは2025年からEVに移行する「第3フェーズ」を開始する。この新時代は、1960年代から1970年代にかけてBMWを大手メーカーに押し上げた中型セダンにちなんで「ノイエ・クラッセ」と呼ばれ、新世代のEVパワートレインの導入、サプライチェーンの持続可能性への注力、新しいユーザー体験を目的としたソフトウェアの導入が予定されている。

「G60」というコードネームで呼ばれる次期5シリーズは、この新時代のラインナップに歩調を合わせつつ、さまざまなパワートレインを用意することになるだろう。直列4気筒/6気筒のガソリンおよびディーゼルエンジンを継承し、2.0Lまたは3.0LのPHEV導入も決まっている。

4.4L V8エンジンを搭載したM550i xドライブの存続は、確実ではない。搭載されるツインターボガソリンエンジン「N63」のデビューは、2008年に発売された初代X6に遡る。基本設計が古く、排出ガス規制ユーロ7に適合させることは困難であろう。

M550iの後継モデルとして考えられるのは、545eである。3.0L直列6気筒エンジンと電気モーターを搭載するPHEVだ。BMWは以前、CLARベースのPHEVには高出力モーターを搭載できると述べていることから、M5の下に最高出力500ps程度のPHEVが設定される可能性がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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